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スタッフブログ

書評

未来年表 人口減少危機論のウソ2018年12月10日 

『未来年表 人口減少危機論のウソ 髙橋洋一  扶桑社新書』

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この本は、ベストセラーとなった、「未来の年表(講談社現代新書)」を意識して書かれていると思われます。「未来の年表」は、将来の日本の人口を予想し、未来に起こりうることが年表として書かれており、どちらかというと将来の人口減少に対して不安をあおるような内容でした。一方、本書では「未来の年表」に書かれている事態は想定内のことで、特に問題はないと述べています。

人口減少は必ずしも不幸な事ではないといった根拠として、人口増減率と経済成長率は相関がない、デフレと人口減少も無関係、人口減少で社会保障は破綻しない、といえるデータを示しています。

興味深かったのは、出生率は政府がコントロールできないというところです。政府が出生率をコントロールできるとしたら、中国の「一人っ子政策」のように強制的に減らすことだが、それも民主主義の日本では無理。増やすようにするには、婚外子を認めるか、人工中絶を禁止するなどの政策が考えられるが、そこまでする必要があるのかというのが筆者の考えです。

確かに、人口が減ればそれだけ需要が減りますが、供給側も同じように減るので(つまりライバルが減るということ)、生き残っていけるというわけです。そもそも人口が増えようが減ろうが、駄目なサービスは駄目なわけで、人口減少危機論に惑わされず、今の自分の仕事に集中するほうがベターです。

本書を読んで、将来の人口減少をことさら不安視しなくてよいと分かり、少し明るい気持ちになりました。

(投稿者:斉藤 揚三)

食生活と身体の退化2018年11月06日 

『食生活と身体の退化-先住民の伝統食と近代食 その身体への驚くべき影響ー W.A.PRICE 恒志会』

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この本は、歯科医師のプライス博士が、世界中の先住民の口腔内の状態を調べて報告した本で、1939年にアメリカで出版されました。今から約80年も前に出されたというのが驚きです。

以前このブログで、日本中の村の食生活を実地調査した「日本の長寿村・短命村」という本を紹介しました。一方、これとほぼ同時代の交通機関が発達していなかった時代に、イヌイット、インディアン、メラネシア人、アフリカの部族、アボリジニーなど、世界中の先住民族の食生活と口腔内の関係を実地調査していた方がいたのです。伝統食を続けている先住民が少なくなっている現代では、非常に貴重な資料にもなっていると思われます。

本書によると、世界中のあらゆる先住民は例外なく、近代商業食品(精白小麦粉、砂糖、精白米、植物油、缶詰食品)が入ってくると、虫歯が蔓延し、歯列弓の不正から乱杭歯、鼻孔の狭小化から口呼吸になり、また、結核などの伝染病、関節炎にかかる人が多くなります。一方で、伝統食を守って食べている先住民には虫歯はほとんどなく、いたって健康なのです。

このことが、豊富な写真によって、一目瞭然で分かるようになっています。

先住民の伝統食と近代食を比較すると、近代食ではビタミンやミネラルが圧倒的に不足しています。これが、身体の退化に関係しているのではないかと本書では考察しています。身体の退化には、目に見える形で現れる虫歯や乱杭歯だけではなく、目に見えない脳の障害=精神障害も含まれます。

逆に言えば、虫歯、伝染病、慢性関節炎、精神障害などは、栄養状態を改善させることで治る可能性があるということです。私たちは、最新の栄養学ではなく、先住民の知恵から学ぶ必要があるのではないかと思います。

本を買う余裕がない方は要約がpdfで公開されていますので、こちらを見てみて下さい。

(投稿者:斉藤 揚三)

破天荒フェニックス2018年10月03日 

『破天荒フェニックス 田中修治 幻冬舎』

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たまには医療と関係のない話。

この本は、絶対に倒産すると言われていたメガネチェーン「オンデーズ」を買収した筆者が、様々な困難を乗り越え、会社を再生していく物語です。

何度も倒産の危機を迎えますが、その都度なんとか乗り越えていく場面は、ハラハラドキドキの連続です。中でも、最期の最期でどうにも立ち行かなくなった時、鯖江のメガネ工場の社長が数億円をポンと融資した場面が特に感動的で、社長の男気に涙しました。

筆者の行動力はとにかくすごいのですが、会社の再生は周りの人材があってこそだったと思います。特に資金繰りに奔走し、会社の財務を支えた奥野さんなくしては成し遂げられなかったと思います。

物語は圧倒的なスピード感で展開します。夜から読み始めましたが、時間がたつのも忘れ朝までに一気に読んでしまいました。お勧めです。

(投稿者:斉藤 揚三)

痛い在宅医2018年09月25日 

『痛い在宅医 長尾和宏 ブックマン社』

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今までの在宅医療の本と言えば、「住み慣れた我が家で穏やかな最期を迎える」といったような、在宅医療を賛美するような内容の本ばかりでしたが、本書は在宅医療の闇に触れた本と言えます。

この本に登場するのは、在宅医療を受けながら、末期がんの父親を自宅で看取ったある娘の話です。そして担当した在宅医の対応に様々な問題のあったケースだったのです。

その娘との対話を通して、在宅看取りとは、アドバンス・ケア・プランニングとは、鎮静とは、平穏死とはなど、様々なことを考察し、問題提起をしています。

どういった症例だったのかは本書を読んでいただきたいのですが、我々在宅医は、この症例を反面教師として、本書のタイトルのような「痛い在宅医」にならないように、自らの診療を見つめなおさなければならないと思いました。その意味で、この本は、これから在宅医療を申し込もうとしている患者さんやご家族だけでなく、在宅医こそ読むべき本だと思います。

筆者の長尾先生は、本の最後で、「この症例の在宅医の対応は確かに悪かったが、それでも平穏死を迎えられたのではないか」と考察しています。この言葉で、残された家族が少しでも救われるのではないかと思いましたし、長尾先生の優しさが感じられました。

(投稿者:斉藤 揚三)

ねころんで読める新しいリハビリ2018年08月10日 

『ねころんで読める新しいリハビリ 上月正博 メディカ出版』

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筆者は東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野教授の上月正博先生です。

この本は、猫のイラストなどがあり、気楽に読める本にも関わらず、とても内容が濃く勉強になります。

副題には、「内部障害リハビリテーションの驚くべき効果」とあります。内部障害とはあまり聞きなれない言葉ですが、心臓、腎臓、肝臓、肺、膀胱、腸などに障害があることを言います。たとえば、心不全、腎不全、呼吸不全などが内部障害にあたります。高齢者は内部障害を有する方が多く、高齢化社会とともに、必然的に内部障害のある方の数も増えてきています。当院が在宅医療で診ている患者さんも、ほとんどが内部障害を持っています。

今まではリハビリというと、脳卒中で麻痺が起きた方、または整形外科の手術後の方に行っているというイメージがありましたが、高齢化社会になるに伴い、内部障害の方のリハビリが増えてきています。本書では、内部障害リハビリテーションの驚くべき効果について書かれています。生活機能予後、さらには生命予後も改善します

本書にでてくるリハビリのプログラムを見てみると、まず量がすごいことに気が付きます。東北大学病院リハビリテーション科病棟では、心臓リハビリテーションで入院した患者は毎日1万歩を歩いてもらうそうです。また、認知症の方に対する下肢運動プログラムでは、エルゴメータ(自転車)運動を1日1時間行うそうです。以前、ブログで取り上げた「間違いだらけのリハビリテーション」でも起立ー着席運動を1日400~600回行うことを勧めています。やはり、リハビリで結果をだすには圧倒的な量が必要なのでしょう。

これだけの量をやってもらうには、医療スタッフの熱意がなによりも必要です。本書にも書いてあるように、患者にリハビリを勧める前に、「まず隗より始めよ」の言葉どおり、医療スタッフ自身が運動することが重要なのかもしれまん。

ちなみに、本書で、透析中にエルゴメータを用いて運動療法をしている写真が載っていましたが、これなら在宅で寝たきりの方にも応用できるかなと思いました。
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(投稿者:斉藤 揚三)

病気スレスレな症例への生活処方箋2018年07月27日 

『病気スレスレな症例への生活処方箋 浦島充佳 医学書院』

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この本は、病気になりかけている患者さんに、いかに生活指導をしていくのかについて書かれています。本書が対象としている病気スレスレの人でなくても、病気の人でも生活指導は大切です。医師の診療はともすれば、「薬を処方して終わり」ということになってしまいがちですが、病気を治療する以前に、生活習慣を改善させなければなりません。ここをおろそかにして、病気の治療をしてもうまくいかないのです。

とはいっても生活指導は、どのようにしたらよいのか分からないというのが現状ですが、この本では具体的な指導方法が書かれています。

例えば、

処方箋
#1 近所の公園まで散歩する
1か月後受診まで有効

処方箋
#1 外食、おやつ、間食、軽食を1日1回、果物、野菜、ナッツに変える。 
1か月後受診まで有効

といった具合です。薬ではなく、本来このような処方箋を書きたいものです。

この生活処方箋のメニューは自ら試すことで、説得力もでますし、引き出しを多く持つことにもなります。

また、生活処方箋を出した際に、達成できるかを「絶対無理を0%、絶対できるを100%とした時に自信のほどは何%かをたずね、60%未満であれば見直す」という記載が参考になりました。いくらいいことでも、一方的に押し付けてもうまくいかないのだと思います。

「医者の不養生」という言葉があるように、医師は激務に追われて、自分の体のことを二の次にしてしまい不健康になりがちです(昔の自分がそうであったように)。しかし、健康だからこそ患者さんを診れるのであって、健康な状態を維持するのも仕事のうちだと思っています。この本はエビデンスとともに書かれているので、エビデンスがないと信用しない医師にも説得力があります。そういった意味で、医師自らが健康になるために読む本とも言えるのかもしれません。

 (投稿者:斉藤 揚三)

がんと命の道しるべ 余命宣告の向こう側2018年06月15日 

『がんと命の道しるべ 余命宣告の向こう側 新城拓也 日本評論社』

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新城先生のご著書はどれも、訪問診療医がどのように生きていけばよいのかの指針を与えてくれます。また、文章から、患者さんに真摯に向き合っている姿勢が伝わってきます。

この本も、ところどころにハッとさせられる文章がちりばめられています。私が気になった文章を抜粋してみます。

p23 健康で力のある私たち医療者は、時に大きな力で患者の苦悩を解決しようとしてしまう。また、医療者は他人の人生、運命に不当な干渉をしてしまう傾向もある。しかし、本来患者の苦悩は、彼ら自身の大事な人生の課題だ。彼らの課題を奪うことなく、じっくりと苦悩することが出来る環境をさりげなく整えることが、医療者の役割なのだ。患者がしっかり課題に取り組むことができるように肉体の痛みをとり、清潔な環境と身なりを整え、そして静かな時間を用意する。決して、医療者自身が何か妙案で彼らの苦悩を解決しようとしてはいけない。

自分が癌にならなければ、患者さんの気持ちは本質的には分からないと思います。医療者が何かを教えるなどということは、おこがましいことであると考えています。医療者ができることは、薬などを利用して痛みなく穏やかに過ごしてもらえるようにすること。それもできない場合は、そばにいること、ぐらいだと思います。

p107 ホスピスでは、医師と看護師がきちんと時間を決めて集まり、そのカンファレンスの場で患者のことを話し合うようにした。それぞれが思いついた時に、ところ構わず口々に相談するのではなく、きちんと話し合う機会をもつようにした。…そして普段自分が感じている、カルテにも書かないようなことまで含めて話し合うようにした。私が患者に接している時に何を感じているのか、何をつらいと感じたのか。…自分の強すぎる責任感に、自分がつぶされそうになっていた。問題を周囲とシェアし、同僚に相談できるようになってから、徐々に自分を取り戻すことができた。

当院では、毎日カンファレンスをしています。また、医師2人で患者さんを診ており、気になる患者さんについては日常的に議論しています。普段は意識していませんでしたが、そのことが一人で抱えこまないことにつながり、ひいては良い方向に向かっているような気がします。

p110~112 長くホスピスで仕事を経験していた私は、どの患者とも「特別な一日」があるということを知っていた。…本当に些細な呼び出しから、苦痛をともないすぐに駆けつけなければならない事態まで状況はさまざまだ。とくかくその「特別な一日」を丁寧に対応し、患者や家族と過ごすと、その後の時間の流れ方が全く変わる。お互いの心がつながる特別な感覚にいつも心が震える。医者と患者という立場を超えた人間同士のたしかなつながりが、「特別な一日」には生まれるのだ。

たしかに、今ままで意識したことはありませんでしたが、亡くなった患者さんとの関係を振り返ってみると、「特別な一日」となった日があったと思います。その日を逃さないように感覚を研ぎ澄ましていきたいと思います。

p146 「住み慣れた自宅で最期まで過ごす」「家族に囲まれて最期の時を過ごす」といった美辞麗句は、やはり死のもつ本質的な真実を覆い隠そうとしているように思える。それでもなお、恐怖と怯えを乗り越えて、自宅で最期を迎えたいと望む患者と、最期を自宅で看取りたいという家族を、私は支え続けている。

「家で最期を迎えることは幸せである」というような単純なことでないことは確かです。家で最期を迎えるまでには、患者さんやご家族の様々な葛藤があるのです。

p186 先天性疾患を抱えた子どもの育児を通じて、私の仕事の仕方はずいぶん変わっていった。「治らない病気がある」という医療の限界を知り、診断・治療を柱とした医学では支えきれないことに意識的になった。ケアの重要性、とくに身体のケアの仕方を、医療者が患者・家族に教えていくことを大切に考えるようになった。患者の生活を支援するとはどういうことなのかを追求することになり、「治らない病気になった」患者にどう向き合い、彼らにどう説明すればよいのかを模索した。こんな心境の自分にとって、がん患者に対する治療としての緩和ケアは、一つの希望となった。治らない患者に何をすべきなのか、がんを告知するにはどうしたらよいのかは、自分自身の苦悩と同一平面上にあった。

新城先生がなぜ緩和ケア医になったのかについても書かれています。自身の経験から、ケアを担う人のケアをどうするのかまで考えていらしゃるようです。

p194 二四時間対応について…ゴルフ、ウインドサーフィン、スキー、ハングライダーは向かない趣味だと思う。反対に、庭・ベランダ園芸、盆栽、プラモデル、パソコン、ブログは二四時間対応に向いた良い趣味だ。

すぐに患者宅に駆けつけるには、遠出を必要としない、どちらかというとインドアな趣味をもつに限ります。とはいっても盆栽は今後もしないとは思いますが…。ちなみに、開業前にいろいろとアドバイスをもらいお世話になったI先生は、訪問診療をしながらサーフィンもするというすごい先生でした。

p196 自分のプライベートを犠牲にして駆けつけた時…相手に「ありがとう」と言ってもらうだけで、自分の生活の一部を差し出したことが十分に報われる。「ありがとう」と言われた途端、負担に感じていた心は晴れて、むしろ、自分が相手にとって大事な存在であること、自分の一挙一動が相手にとって光明になっていることをはっきりと感じる。つまり、相手を通じて自分の存在の意義をはっきりと意識するのだ。この実感が医師にとっては大きな力になる。

夜間の往診は大変ですが、このように考えれば頑張れます!

(投稿者:斉藤 揚三)

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)2018年06月07日 

『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった 藤川徳美 光文社新書』

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○イライラしやすい。集中力低下。神経過敏。些細なことが気になる。
○立ちくらみ、めまい、耳鳴り。偏頭痛。
○節々の痛み(関節、筋肉)。腰痛。
○喉の違和感(喉が詰まる)。
○冷え性。
○朝なかなか起きられない。疲れ。
○出血(アザ)。コラーゲン劣化(肌、髪、爪、シミ)。ニキビ、肌荒れ。
○不妊。
○レストレスレッグス症候群(RLS=ムズムズ足症候群)。
○やたらと氷を食べる。
本書p96、97より抜粋

上記のような症状はみられませんか?これらは女性の不定愁訴でよくみられます。もしかしたらそれは鉄不足の症状かもしれません。

筆者は精神科医なのですが、精神疾患に栄養療法を取り入れた治療を行っています。実際に、鉄剤の投与と、高タンパク・低糖質の食事指導によって、劇的に改善した症例が本書に何例もあげられています。精神疾患の中でも、特にうつやパニック障害の方に著効しています。これは、鉄が神経伝達物資であるセロトニン、ドーパミン作成の際の補因子になることが関係していると思われます。

さて、現在の日本人の食生活を一言で言えば、糖質過多+鉄・タンパク質・脂肪酸・ビタミン・ミネラル不足になっています。生きていく上でのカロリーは足りていても、必要な栄養素が足りていない状態で、これを「質的な栄養失調」と呼んでいます。これは、精製された穀物(米や小麦粉)や加工食品の偏った摂取によって起こっています。特に鉄に関しては、日本人の15~50歳の女性の99%が鉄不足になっているというデータが示されています。この年齢の女性に鉄不足が多いのは、第二次性徴期に鉄需要が増大すること、1回の月経によって20~30mgの鉄が失われること、1回の妊娠・出産でフェリチン値で50に相当する鉄が胎児に移行すること(これが産後うつの発生に関係しているのではと考えられています)などによります。世界各国では、小麦粉に鉄が添加されるなどの鉄補給対策がなされていますが、日本では国民の鉄不足に対して何一つ対策がとられていません。

そのため、鉄不足は「自衛」するしかありません。まずは血液検査でフェリチン(鉄を貯蔵するタンパク質)値を測定することから始まります。50以下であれば、鉄剤投与の適応になります。

多くの医師は、鉄欠乏=貧血と考えていて、鉄欠乏性貧血に対しては鉄剤を投与しますが、貧血のない鉄不足に関しては関心がありません。しかし、鉄は赤血球を作る材料としての役割だけではなく、エネルギー代謝の最終段階において不可欠(ミトコンドリアにおける電子伝達系に鉄が必須)という、生命活動の根幹に関わる重要な役割があるのです。鉄が不足するとエネルギー不足に陥ります。これを無視したあらゆる疾病の治療は、本末転倒なものになります。

藤川先生の示している基準を以下に載せておきます。

BUN 目標15~20mg/dl(一般的には8~20mg/dl) 10以下が重度のタンパク質不足

MCV 目標95~98fl(一般的には80~100fl)

フェリチン 目標100ng/ml(一般的には男性21~282ng/ml、女性5~157ng/ml)

フェリチン30以下(重篤な鉄不足)でMCV90以下は鉄剤投与の適応

フェリチン31~50 50越えを目標として鉄剤投与

尚、当院では数年前から隠れた鉄不足に着目し、フェリチン値を測定の上、積極的に鉄剤を処方しています。そして、不定愁訴とも思われる症状が改善した症例を数多く経験しています。しかし、このような基準で治療しているクリニックはほとんどないと思われます。そういったクリニックにかかれない方が「自衛」する手段も本書には載っていますので、詳しくは本書を参考にしてみてください。

(投稿者:斉藤 揚三)

歩くとなぜいいか?2018年04月01日 

『歩くとなぜいいか? 大島清 PHP新書』

歩くとなぜいいか? 大島清

多くの人は、「歩くのは健康にいい」というのは頭では分かっていても、なかなか実践できないのが現状だと思われます。

それは、「健康のために頑張って歩こう」だと苦行のように感じてしまうからです。

今は車社会になっていますので(田舎では特に)、どうしても楽な方=車に流されてしまいます。

そういったときに、本書を読むと、道端に咲く花をみながら、季節の移り変わりを感じながら、楽しく歩けばいいのだということに気付きます。

筆者は鎌倉に住んでいて、本書の中に鎌倉の散歩風景が書かれています。その描写がとても美しく、本書を読むと外を歩きたくなってきます。

最近、暖かくなってきて、散歩日和が続いています。

なかなか鎌倉のような景色には出合いませんが、当地では当地なりの自然を感じながら散歩しようと思います。

(投稿者:斉藤 揚三)

給食で死ぬ!!2018年03月24日 

『給食で死ぬ!! コスモ21』

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タイトルから、給食がいかに悪いのかが書かれた本だと思って読んでみたところ、そういった本ではなくて、荒れていた中学校に赴任した校長先生が学校を立て直す話だったのです。その中学校は、校内をバイクが走り、タバコの吸い殻が無数に落ちているような学校でした。

この校長先生は3つの柱によって学校を立て直しました。

まず一つは、非行の原因はつまらない授業にあると考え、授業改革に取り組みました。教師同士が授業を見せ合って、問題点を話し合い、「分かるできる楽しい授業」を目指しました。

二つ目は、給食改革です。食の実態調査によって、38%が朝食を摂っていなかったことが分かったそうです。さらに食べていたとしてもコンビニ弁当やカップラーメン、菓子パン、ハム、ウインナーなどの加工食品だったのです。家庭での食事を変えられないなら、学校の給食を変えるしかないとの考えで、5食すべてを米飯にし、副食を魚や野菜たっぷりのものに変えました。現在では給食の90%が、低農薬や無農薬の各地の地場産のものを使うようになっているようです。

三つ目は花作りです。学校に潤いがない、心を癒すものがないとのことから、花作りを生徒にさせました。本書に実際の花壇がカラー写真で載っていますが、素晴らしい花壇です。殺人事件が起きた学校の写真も載っていますので、比較してみると一目瞭然です。

この結果、子供が自主的に本を読んだり勉強するようになり、全国学力テストで高得点を取り、非行による事件がなくなり、不登校も減るという驚くべき成果を上げました。

この3つの柱の考えはとてもすばらしいのですが、何と言ってもすごいのは校長先生の行動力です。米の買い付けに全国を飛び回ったり、小麦を手に入れて自らパン作りをしたり、町長に直談判したり。さらに改革の途中で様々な批判にさらされますが、自分の信念を貫き通したところもすごいです。

全国で、いじめや不登校、非行などで問題のある学校があれば、この本の内容はとても参考になります。また、学校でなくても花作りや食事改革はできますので、あらゆる人に勧められる本だと思います。

(投稿者:斉藤 揚三)

 

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