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くりはら訪問クリニック

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介護保険

ショートステイ先への訪問診療2018年10月12日 

ショートステイ(短期入所生活介護)先に訪問診療に行ってよいのかどうか、ケアマネージャーさんも分からない方が多いようなので、まとめてみました。

2016年度の診療報酬改定でショートステイ先にも訪問診療ができるようになりましたが、それには条件があります。

それは、「サービス利用前の30日以内に患家を訪問し、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料(在総管)、施設入居時等医学総合管理料(施設総管)、在宅がん医療総合診療料を算定した医療機関の医師(配置医師を除く)が診察した場合に限り、サービス利用開始後30日までに訪問診療料や施設総管を算定できる」というものです。

つまり、自宅で定期的に訪問診療をしていた場合、ショートステイ利用開始後30日までは、ショートステイ先に訪問診療に行くことができます。ただしその場合は、在総管ではなく施設総管での算定になります。

また、ショートステイ中に体調不良になった場合などは、ショートステイ先に往診することもでき、往診料も算定できます。

しかし介護保険と医療保険を同時請求できないからなのか、施設の決まりなのか、上記を説明しても、ショートステイ先に診察に来てもらっては困ると言われ、ショートステイから自宅に戻って診察することもよくあります。

当院としては、患者さんが診察のためにいちいち自宅に戻るというのは不便だと思うので、施設がよければ、ショートステイ先にも診察に行っています。

(投稿者:斉藤 揚三)

訪問看護が医療保険になる条件2018年09月14日 

要介護認定を受けている方は、原則として、医療保険ではなく介護保険が優先され、訪問看護も介護保険で行われることになります。

しかし、例外的に医療保険で訪問看護が行われることがあります。

ケアマネージャーさんも、なかなかこのことを知らない方が多いようなので、どういう時に医療保険の訪問看護になるのか、書いていきたいと思います。

たんぽぽクリニックの永井先生は、著書の中で、訪問看護が医療保険の適応になる条件を、「3つの呪文」として書いています。

3つの呪文

①介護保険の認定を受けていない訪問看護の対象者

②要介護認定者のうち、末期の悪性腫瘍など「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合

③要介護認定者のうち、急性増悪などのケース

ひとつひとつ見ていきたいと思います。

①に関してですが、要介護認定を受けていなければ、当然のことながら介護保険を使うことはできません。これは、年齢的に介護保険を受けられない方と、該当はしているが申請していない方の二つのケースに分かれます。

40歳未満:どの方でも介護保険は使えません。
40歳以上65歳未満:特定疾患(16疾患)によっては介護保険を使えます。
65歳以上:どの方でも要介護認定を受ければ、介護保険は使えます。

②に関して「厚生労働大臣が定める疾病等」は、以下の疾病になります。
末期の悪性腫瘍
多発性硬化症
重症筋無力症
スモン
筋萎縮性側索硬化症
脊髄小脳変性症
ハンチントン病
進行性筋ジストロフィー症
パーキンソン病関連疾患…進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類Ⅲ度以上かつ生活機能障害度がⅡ度またはⅢ度)
多系統萎縮症…線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群
プリオン病
亜急性硬化性全脳炎
ライソゾーム病
副腎皮質ジストロフィー
脊髄性筋萎縮症
球脊髄性筋萎縮症
慢性炎症性脱髄性多発神経炎
後天性免疫不全症候群
頸髄損傷
人工呼吸器を使用している状態

③に関しては、医師が特別訪問看護指示を出した場合に当たります。病状の急性増悪時(肺炎になった場合など)、終末期、退院直後に月1回出すことができます。指示日を含めて14日間までの制限があります。気管カニューレ使用と真皮を越える褥瘡(NPUAP分類Ⅲ、Ⅳ度)がある場合は、月2回指示を出せます。この場合は、1か月のうちほとんどが医療保険の訪問看護となります。また、特別訪問看護指示期間中は、原則として週4日以上の訪問看護が必要になります。

まとめると、要介護認定を受けていない、末期がんや難病がある、急性増悪時や重度褥瘡で特別訪問看護指示がでている場合は、医療保険による訪問看護になります。

参考資料:たんぽぽ先生の在宅報酬算定マニュアル(日経BP社)

(投稿者:斉藤 揚三)

医師も介護保険の仕組みを知っていた方が良い2018年08月20日 

医師は疾病の治療だけではなく、介護保険の仕組みも知っていた方が良いです。

病院の整形外科外来を想定して話を進めます。

腰椎圧迫骨折で痛みのため動けなくなっている患者がいた時に、病棟のベッドが空いていないために、自宅に帰ってもらうということが往々にしてあります。整形外科病棟のベッドは基本的に手術を受ける方のためにあります。手術の必要がない圧迫骨折の方を多く入院させていたら、入院が必要な患者さんが入院できなくなってしまいます。

さて、自宅に帰って寝ていれば、いずれ骨折は治るかもしれませんが、褥創ができたり、廃用が進んで寝たきりになってしまうかもしれません。

それではどうすれば良いのかといえば、介護サービスをうまく利用します。

介護保険を使えば、介護用ベッドや褥創予防の高機能エアマットレス、リハビリのための歩行器などを安く借りられたり、訪問リハビリを導入できたり、家族が自宅でみきれない場合にはショートステイに行くという手もあります。

介護保険を使うためには介護認定を受けておく必要があります。介護認定を受けていなかった場合は、介護認定の申請をアドバイスします。65歳以上であれば、だれでも申請できます(40~64歳でも条件付きで申請できます)。

介護認定により介護度が決まるまでは約1か月かかりますが、認定される前にも見込みで介護サービスを利用することができるので、まずは申請しておくことが必要です。

ほとんどの病院にはMSW(医療ソーシャルワーカー)がいて、相談窓口などがあるので、そこで相談するように話しておけば、申請の方法なども教えてくれます。

このような、療養上のアドバイスをすることも医師の大切な役割の一つです。

(投稿者:斉藤 揚三)

要支援や要介護1で介護用ベッドを借りる方法2017年06月21日 

在宅医療をするには介護保険に精通しておかなければなりません。

今回は「要支援や要介護1で介護用ベッドを借りる方法」を書いていきます。

介護用ベッドを介護保険を使って借りるには要介護2以上でなければなりません。

要支援や要介護1の方であっても、起き上がりが困難であったり、褥瘡ができたりした場合に、介護用ベッドを借りたいことがあります。かといって、全額自己負担で借りるには金銭的な負担が大きくなってしまいます。

そこで、2つの方法を紹介します。

①「軽度者に対する福祉用具の例外給付」を利用する。

医師は介護用ベッドが必要な旨を書類に記載し、ケアマネージャーが申請依頼書に記載し、役所に提出して認められれば大丈夫です。

②区分変更を行う。

介護度が実状にあっていなければ、区分変更し要介護2以上になれば借りられます。

どちらの方法をとるのかは担当のケアマネージャーさんと相談すれば大丈夫です。

(投稿者:斉藤 揚三)

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