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くりはら訪問クリニック

スタッフブログ

月別アーカイブ:2018年05月

足趾蜂窩織炎の症例2018年05月28日 

右第一趾の爪が近位方向に伸び、それが皮膚に刺さり蜂窩織炎を起こしたという珍しい症例を経験しました。

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爪白癬と思われますが、これほどの厚さの爪は、通常の爪切りやニッパーでは切ることができません。このような爪には工業用のニッパーを使うといいです。注意点としては、切る際に爪にかなりの力がかかり爪が剥がれそうになるので、爪甲をしっかり押さえながら切ることです。
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工業用のニッパーで刺さっている爪を切りました。爪を切る際に、刺さっている皮膚が刺激され痛みがでたので、麻酔(指ブロック)もしました。

寝たきりの方であれば抜爪してもよかったと思いますが、歩いている方だったので、爪は残しました。そして、ケフラールカプセルを7日分処方しました。

11日後の写真が以下になります。炎症は完全に治まりました。

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 (投稿者:斉藤 揚三)

本日のツバメ2018年05月27日 

クリニック生まれのツバメもすくすくと育っています。

今日は、親がエサをあげるところの撮影に成功しました。

当院での減薬の1例2018年05月25日 

症例:94歳 女性
経過:平成30年1月に転倒して左肩を骨折してから寝たきり状態となり通院が困難となったため当院の訪問診療を希望された。

平成30年3月から当院の訪問診療が開始されました。初診時の状態ですが、認知症により意思疎通はできませんでした。食欲不振もあり、1食あたり数口程度の摂取量でした。また頻尿があり、診察中もポータブルトイレに移るような状態でした。ADLはほぼ寝たきり状態で、全介助でポータブルトイレに移るレベルでした。仙骨部に褥創がありました。

前医で処方されていた薬は以下になります。
problem listを作成し、どのように減薬したのかを書いていきます。

ベシケアOD錠5mg 1錠
バルサルタン錠80mg 1錠
ルーラン錠4mg 1錠 分1 朝食後
ラシックス20mg 1錠 分1 朝食後 隔日
メマリー錠20mg 1錠 分1 夕食後
メチコバール錠500μg 2錠 分2 朝夕食後
ロゼレム錠8mg 1錠
ベルソムラ錠10mg 1錠 
プルゼニド錠12mg 2錠 分1 就寝前
リスパダール内用液1mg/ml 0.5ml 不穏時頓用

problem list
#1 認知症
前医より精神科に紹介されており、精神科では、脳血管障害を伴うアルツハイマー型認知症の診断で、ルーラン4mg、メマリー20mg、メチコバールが処方されていました。ルーランは非定型抗精神病薬です。介護者より、ルーランの処方前後で精神状態に変化はなかったとのことだったので中止としました。メマリー(メマンチン)はNMDA受容体拮抗薬で、中等度および高度アルツハイマー型認知症における症状の進行を抑制する薬です。「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」ではコリンエステラーゼ阻害薬、メマンチンの終了基準として、①意思疎通が図れない、寝たきり状態または身体障害が悪化した患者、②明らかに薬物の効果が認められなくなった場合、③何らかの有害事象を発生した場合、があげられています。当症例は①および③に該当していると考えられたため、20→10→5mgと診察の度に減薬し、最終的に中止しました。また、採血でビタミンB12は足りていたのでメチコバールは中止しました。

#2 頻尿
前医では過活動膀胱治療薬のベシケアが処方されていました。しかし効いている感じはなく、また抗コリン作用により認知症を悪化させている可能性もあるため中止しました。中止しても頻尿の悪化はありませんでした。また、メマリーの副作用に頻尿があり、メマリーも止めたことで結果的に頻尿は改善しました。

#3 食欲不振
多剤併用やメマリーにより食欲不振となっている可能性がありました。当院ではラコールを処方しました。その後、食欲はありすぎるくらいに改善し、ラコールは不要となりました。

#4 仙骨部2度褥創
寝たきり状態になっているため褥創ができたと思われました。初診時にケアマネージャーに高機能エアマットレスの導入を指示しました。ワセリンの塗布を指示しただけですが、エアマット導入により1か月で上皮化しました。

#5 高血圧症
バルサルタン80mg、ラシックス20mgが処方されていました。ラシックスは隔日投与のため服薬コンプライアンスに不安があります。初診時採血でCr0.88、eGFR44.8mL/minと腎機能が中等度~高度低下していました。腎保護作用のあるARBのミカルディス20mgの1剤の処方としました。

#6 不眠症
ベルソムラ10mg、ロゼレム8mgが処方されていました。ベルソムラは10mgが処方されていましたが、添付文書どおりの15mgを処方しました。ロゼレムは止めましたが、内服していたほうが眠れるようだとのことで、途中で再開しました。

#7 便秘症
ベシケア、メマリーの副作用に便秘もあります。中止により便秘はやや改善しました。前医から処方されていた下剤も大量に余っていたので、調整して使ってもらうようにしました。

#8 左肩関節脱臼骨折後
初診時より左肩痛はなく、なにもしていません。

2か月後の当院の処方
ミカルディス20mg 1錠 分1 朝食後
ベルソムラ錠15mg 1錠 
ロゼレム錠8mg 1錠 分1 就寝前

結果的に8剤から3剤に減薬しました(下剤は除く)。初診から2か月くらい経過しましたが、服薬調整によって、食事摂取量、頻尿、BPSD(認知症の周辺症状)ともに改善しました。 

訪問診療のいいところは、総合的に診ることで、処方の優先順位をつけて減らすことができる点です。疾患の数だけ専門科にかかっている場合は、このような減薬は難しいはずです。超高齢化社会を迎える日本では、今後、このような診療が求められているのではないかと考えています。

 (投稿者:斉藤 揚三)

ラコール抹茶フレーバー2018年05月23日 

ラコール

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本日は、2018/6/5に発売となるラコール抹茶フレーバーの試飲会をしました。

商品開発時には高齢者に人気があったようなので、試してみたい患者さんがいれば、処方していきたいと思います。

さて、試飲会の前に、商品説明があったのですが、「蛋白同化抵抗性」の話が興味深かったです。

蛋白同化抵抗性とは、蛋白質を摂取しても、体蛋白の増加が滞る状態を言います。

高齢者は蛋白同化抵抗性があるために、成人よりも蛋白質を積極的に摂らないといけません。(成人では体重1kgあたり1日量として0.8-1.0gの蛋白質の摂取が推奨されるが、高齢者は1.0-1.2gが推奨される)

これが、高齢者ほど肉を食べないといけない理由です!

また、蛋白同化抵抗性を改善させるには、炎症や酸化ストレスを抑える必要があり、そのためには糖質を控えたり、オメガ3系脂肪酸や抗酸化ビタミンを摂取するのが良いです。

さらに、筋肉に抵抗をかける動作を繰り返す「レジスタンス運動」も筋蛋白合成を刺激するので重要です。

(投稿者:斉藤 揚三)

ツバメの写真2018年05月21日 

当院の玄関の上に毎年ツバメが巣を作っています。今年も作っており、ヒナも順調に育っています。

本日、写真を撮ってみました。
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動画も撮ってみました。

大腿骨近位部骨折の保存療法2018年05月18日 

高齢者が増加するにつれて、高齢者に発生することが多い大腿骨近位部骨折を受傷される方の数も増加しています。

大腿骨近位部骨折は一般的に手術となるのが普通ですが、全身状態が悪かったり、もともと歩いていない、認知症で脱臼肢位が理解できない方(人工骨頭挿入術では)などは「手術適応がない」と言われて、自宅や施設に戻されることがあります。入院用のベッドは手術が必要な方で埋まっていますので、仕方ないとあきらめるしかありません。

今後、超高齢化社会を迎える日本においては、こういった例が多くなってくると思われます。

そこで今回は、大腿骨近位部骨折を受傷したが手術適応がない方を、自宅や施設でどのような点に注意してみていけばよいかについて書いていきます(これから手術を受ける方には当てはまらないので注意して下さい!)。

まず、大腿骨近位部骨折は、骨折が起こる場所によって大きく2種類に分かれ、そのタイプによって若干方針が変わってきます。

①大腿骨頸部骨折
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大腿骨頸部骨折は大腿骨の頸部という場所に起こる骨折です。このタイプの骨折は、保存療法で治ることはほぼなく、そのため偽関節になりやすい骨折として有名です。偽関節とは、骨折がくっつきそこねる事を言います。骨折した側の下肢に荷重をかけないからと言って治るわけではないことから、荷重制限は不要です(とは言っても実際は痛みで荷重をかけられない方がほとんどです)。

②大腿骨転子部骨折
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大腿骨転子部骨折は大腿骨の転子部という場所に起こる骨折です。大腿骨転子部骨折の場合は、3か月くらい経てば骨癒合することがほとんどです(骨折は治ります)。それまでは骨折した側の下肢は免荷(荷重をかけないようにする)とし、3か月経ったら荷重を許可します。しかし、3か月も歩かない状態でいると廃用が進み、荷重を許可しても結果的に歩けるようになる方はほとんどいません。

どちらの骨折も、骨折部がある程度安定してくるまで3週間くらいはかかり、その頃になると、痛みは徐々に治まってきます。痛みのためおむつ交換も大変な場合には、一時的に尿道カテーテルを留置することもあります。痛み止めは内服すると多少痛みが緩和されるくらいで、痛みを完全にとることはできません。最終的には車イスレベルのADLになることがほとんどです。

注意点としては、療養中は痛みのため寝たきり状態に近くなるので、褥創のリスクが高くなることです。そのため高機能エアマットレスの導入を検討しなければなりません。さらに、ベッドに寝た状態で食事を摂ったりするとムセやすく、誤嚥性肺炎のリスクも上がりますので、食事の際はギャッチアップをして、ムセに注意して食事を摂らせないといけません。また、寝たきり状態になっていると深部静脈血栓症にも注意が必要です。足関節の運動ができれば予防になります。

介護者によく聞かれるのが、「骨折した側の下肢をどれくらい動かしてもよいのか?」ですが、どちらのタイプの骨折も「痛みの範囲内で動かしても良い」となります。おむつ交換の際などは、骨折していることを意識しながら、愛護的に下肢を動かすようにします。車イスにも痛みに応じて離床しても良いです。むしろ上述の寝たきりに伴う合併症を防ぐためにも、不必要な安静を避け、積極的に離床させるべきです。

(投稿者:斉藤 揚三)

訪問リハビリの考え方2018年05月16日 

訪問診療が病院での診療を在宅に持ち込めばいいのではないのと同様に、訪問リハビリも、病院でのリハビリを在宅に持ち込めばよいわけではないと考えています。病院でのリハビリと在宅でのリハビリの違う点を考えてみます。

大きく違うのがリハビリの時間です。病院(入院)では毎日リハビリができますが、訪問リハビリではマンパワーの問題などで週1、2回くらいしかできないのが普通です。その少ない時間で結果をだしていかなればならないのが難しいところです。週1回、訪問リハビリの時間だけ関節可動域訓練や筋力強化訓練をしただけで関節可動域や筋力を維持することはできないと思います。つまり訪問リハビリでは、リハビリの時間だけリハビリをすればよいのではなく、その時間以外のリハビリをどうしていくのかを考えないといけないのです。

そうなると、ホームプログラムを作成し患者さん自身や家族の協力のもと、リハビリを続けてもらう必要があります。このホームプログラムのメニューを考え、管理することも訪問リハビリの大切な仕事になります。しかし、せっかくプログラムを作っても、認知症の患者さんだとメニューが理解できない、本人のやる気がないなどでできないことがあります。また、家族にリハビリをしてもらう方法もありますが、ただでさえ介護で疲弊している家族をさらに疲弊させてしまう可能性もあります(そのため、介護者の疲労度などを考慮してプログラムを調整する必要があります)。

そこで考えられるのが、ヘルパーや訪問看護師にリハビリをしてもらう方法です。指導する手間はありますが、リハビリの時間を確実に増やすことができます。

(投稿者:斉藤 揚三)

入院のメリット・デメリット2018年05月14日 

本日の訪問診療で、患者さんの家の前のフジがきれいだったので写真を撮ってみました。

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さて、「入院する(させる)と安心だ」という言葉はよく聞きますし、その心情は良く分かります。

確かに入院すればなにかあってもすぐに何かしらの対応が受けられますし、家族は介護から解放される、精密検査や場合によっては高度な治療を受けることができるなど、そのメリットは大きいものがあります。

しかしデメリットがあることも忘れてはいけません。

特に高齢者では、入院するとそれまでの環境とガラッと変わってしまうため、その変化についていくことができず、せん妄が誘発されることが多々あります。それによって、身体拘束されベッドに縛り付けられれば、廃用が進んで寝たきりになってしまうかもしれません。また、せん妄のため、ご家族が1日中付き添わなければならないこともあります。

また、疾病の治療だけを考え「生活機能の維持」という基本的なことをないがしろにする医師がいることも事実です(内科系の医師に多いと思われます)。疾病が治ったのはいいが、寝たきりになってしまったというのはよくあることです。そのような医師にあたった場合、予防的なリハビリの指示もでないということもあります。また、意味のない安静が指示されていることもあります。

仮に、リハビリが指示されていたとしても、リハビリの時間は1日に20分くらいです。入院中は、看護師が手厚くケアしてくれるので、その結果活動量が低下し、退院時にはADLは低下していたという報告もあります。もしリハビリの時間以外をベッド上で過ごす状況であれば、寝たきりへの移行を防ぐことはできないかもしれません。

さらに、入院のデメリットとして自由が奪われることもあげられます。口に合わない病院食も我慢して食べるしかなく、消灯時間も決まっており、タバコもお酒も禁止です。

それに対して、在宅医療では住み慣れた場所で医療を継続できることが最大のメリットになります。環境変化によるせん妄も起こりにくく、好きな時間に起きて、好きなものを食べて、タバコやお酒を楽しむことも可能です。大がかりな検査や治療は難しいですが、血液検査や尿検査などの基本的な検査、点滴や酸素療法も受けられ、入院に準じた医療を受けることもできます。

なにかあったらすぐに入院ではなく、在宅医療という選択肢があっても良いと思います。

 (投稿者:斉藤 揚三)

診療風景 2018/052018年05月12日 

今朝は岩手県一関市花泉町まで往診に行ってきましたが、途中、道路の脇で牛が放牧されていたので写真を撮ってみました。

のどかな風景です。

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診療風景 2018/052018年05月11日 

今週は冬に戻ったかのような寒い日が続いていましたが、今日は一転して暖かく、訪問診療もやりやすかったです。

本日の移動中の車から見える風景を動画であげてみます。田植えも始まってきています。

 

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