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在宅医療専門
くりはら訪問クリニック

スタッフブログ

月別アーカイブ:2017年12月

今年もありがとうございました。2017年12月31日 

無題無題1

今年度も当院に関係する皆様のおかげで大きな問題なく終わることができました。

今年度の定期の訪問診療は終了しましたが、年末年始も電話相談や往診はいつでも受け付けていますので、かかりつけ患者さんは医師直通電話に連絡いただければと思います。

来年度も、患者さんを第一に考えた医療を提供できるように頑張っていきたいと思います。

当ブログをご覧になっている皆様にも、来年も少しでも有益な情報を届けられるように、ブログもできるだけ更新していきたいと思っています。

(投稿者:斉藤 揚三)

中心静脈栄養からの離脱2017年12月27日 

病院に肺炎などの急性疾患で入院し、その後食事が摂れなくなり、中心静脈栄養で管理されるようになる方は多いです。

また、訪問診療をしていると、入院中は食事がなかなか進まなかった人が自宅に戻ってから食べられるようになるということをよく経験します。

病院の食事が口に合わない、家庭の味が一番というのはあると思いますが、住み慣れた自宅の環境が良かったり、家族のサポートによって食べられるようになるというのもあると思います。

そのため、中心静脈栄養で在宅に帰ってきた方を訪問診療で診ることになった際には、中心静脈栄養を止めることが出来ないかを常に考えています。

当院のやり方としては、中心静脈栄養をしている状態で、まずはゼリーやプリンなどを食べてもらいます。それがムセなく食べられるようであれば、徐々に食事形態を上げていきます。完全に食事が摂れるようになってもヘパロックをして、食事が摂れなくなった場合に備えて中心静脈のラインは数週間は残しておきます。

誤嚥するリスクは常にありますので、十分な説明は必要です。

この方法によって、2017年度は4名の患者さんが中心静脈栄養から離脱することができました。

入院中は食べられなかったわけですから、主治医が選択した中心静脈栄養は間違いではないと思います。

しかし、中心静脈栄養では長く生きられたとしても2年くらいが限界です。やはり食事をして、自分の腸を使うのが一番自然ですしうまくいけばもっと生きられるではないかと考えています。

(投稿者:斉藤 揚三)

高齢者「薬漬け」適正指針の記事2017年12月24日 

12/24の産経新聞の一面(スマートフォンから無料で見ることもできます)にポリファーマシーの医療記事が載っていました。こういった記事によって、ポリファーマシーの問題が一般の方にも広まっていくといいですね。

内服薬が多くなる原因としては、記事にもあるように患者側が薬を欲しがるということもあるのですが、医療側からは足し算の医療をしていることが原因です。

足し算の医療とは、患者の訴えに全て薬で対応しようとするところから始まります。医師は薬を出すことだけが仕事ではありません。訪問診療では患者さんの生活背景を直接見ることができるので、薬に頼らない、より総合的なアドバイスをすることができます。

高齢者「薬漬け」適正指針 国が初 副作用の有害性明記

高齢者が多くの薬を服用する「薬漬け」について、厚生労働省が、医師や薬剤師らを対象に服用の適正指針案(骨子)をまとめたことが23日、分かった。国レベルで高齢者の内服薬に関する指針を作成するのは初めて。薬の多種類の服用は副作用などのリスク増が指摘されている。日本では「患者がとりあえず薬をもらいたがる」といわれ、医療費の削減も期待される。指針は来春にも完成し公表、一般国民向けも来年度に考案するという。

厚労省によると、60歳を超えると高血圧や骨粗鬆(こつそしょう)症など複数の疾患を抱えることから、服用する薬の種類が増加し、75歳以上でさらに多くなる傾向にある。レセプト(診療報酬明細書)調査によると、70歳以上の患者で平均6種類以上服用している。

 東京大などの患者調査では、薬を6種類以上服用している場合に副作用が出やすくなったりするケースが急増。転倒の発生頻度が2倍近くに増え、認知障害のリスクが増加するというデータもある。

 このため指針案では「医療の質を向上させ、患者の健康に資すること」という目的を記載。高齢者が薬を服用することで生じる物忘れや目まい、失神など「有害事象」を列挙した。

 安全性確保の観点から、単に薬の数を減らすのではなく、適正な処方内容への見直しが重要であることを明記。複数の医師にかかっている場合は「お薬手帳」を活用してかかりつけ薬剤師にチェックしてもらうことも念頭に、「医師、薬剤師、看護師などが一元的に情報を集約し、連携すること」とした。

 NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」が今秋、約5千人の高齢者に調査したところ、処方された薬を飲み残す患者も多く、47%が飲み残しの経験があると答えた。

 同法人代表で東京家政大の樋口恵子名誉教授(家族関係学)は「服薬を不安に思う高齢者は増えている。『人生100歳時代』になり、いずれ自分で薬が管理できなくなる。薬は“命のもと”であり、薬の適正なあり方を考え直さなければならない」と話した。

(投稿者:斉藤 揚三)

栗原市の訪問診療の需要を計算してみました。2017年12月23日 

栗原市高齢者福祉計画・介護保険事業計画(案)が発表されました。

ここに書いてあるデータを元に、現在栗原市で訪問診療の適応になる患者さんは何人くらいいるのか、おおまかに計算してみました。

訪問診療が必要な方というのは一人で通院することが困難な方だと考えると、介護度で考えれば、歩けない目安とされる要介護3以上が当てはまると思われます。

22ページより、平成27年度の栗原市の介護認定者数5610人のうち、要介護3以上の人数は2105人です。

38ページより、平成27年度、介護保険3施設に入所している方が797人であることから、入所者が全て要介護3以上だと仮定すると、2105人-797人=1308人が要介護3以上で在宅にいる人数と思われます。

33ページに、在宅にいて介護認定を受けている人の中で、訪問診療を利用している人の割合が9.6%程度とありました。

介護認定を受けていて在宅にいると思われる4813人(5610人-797人)のうち、9.6%にあたる462人が訪問診療を受けているとして、少なくとも846人(1308人-462人)が無理をして通院している人数と推測できます。

つまり、栗原市にはまだ訪問診療の対象になると思われる患者さんが約1000人ちかくいることが分かりました。

また32ページには、主な介護者が不安に感じる介護として、「外出の付き添い、送迎」が33.7%と最も高くなっています。

つまり、通院の付き添いも、介護者にとっては大きな負担になっていると思われます。

介護者の負担軽減のために、また、在宅で医療を受けられずに放置されているかもしれない高齢者に医療を届ける意味でも、広く市民に訪問診療の存在を啓蒙していく必要があるのではないかと考えています。

ちなみに栗原市では高齢者福祉計画・介護保険事業計画(案)に対するパブリックコメントを実施し、市民からの意見や提案を募集するとのことです。

2018年1月5日まで受け付けているようなので、意見がある市民や事業者の方は提出してみてはいかがでしょうか?

詳しくはココをクリック

※計算に当たっては、入院している方は考慮していません。また、訪問診療を受けている人の多くは要介護3以上と仮定しています。

(投稿者:斉藤 揚三)

当院での減薬の1例2017年12月20日 

薬剤の多剤併用により薬剤有害事象が起きていることをポリファーマーシーといい、社会問題にもなっています。当院ではできるだけ、薬を減らせないかを考えて診療しています。

今回は当院で行った減薬の1例を載せてみます。

症例:87歳 女性

既往歴:左大腿骨転子部骨折で手術歴あり、高血圧、不眠症

前医での処方
アムロジピンOD錠2.5mg 1錠
リバロOD錠1mg 1錠
ベタニス錠50mg 1錠
エディロールカプセル0.75mg 1C 分1 朝食後
レバミピド錠100mg 2錠
エブランチルカプセル15mg 2C 分2 朝夕食後
ハルシオン錠0.125mg 2錠 分1 就寝前

 アムロジピンOD錠
Ca拮抗薬です。高血圧治療の第一選択薬であり、処方していても問題ないと考えます。薬剤性の浮腫に注意が必要ですが、本症例ではみられませんでした。

リバロOD錠
スタチンです。心血管疾患の2次予防ではエビデンスはありますが、当症例は心血管疾患の既往もなく、積極的な内服の適応はないと考え中止とします。

ベタニス錠
過活動膀胱の薬です。抗コリン作用があります。抗コリン作用により、便秘、口渇、せん妄などの副作用が生じる可能性があります。現在、頻尿の症状はありませんでした(薬が効いていて症状がない可能性もありますが)。長期で漫然と使っていると認知機能の低下を起こす可能性もあるため、一度中止して、頻尿が再発するかどうかみてみることにします。

エディロールカプセル
活性型ビタミンD3製剤です。骨粗鬆症ガイドラインでは椎体骨折にはグレードA、大腿骨近位部骨折にはグレードCとなっています。当症例では再転倒により右大腿骨近位部骨折を受傷する危険性があります。それをどうしても予防したければ大腿骨近位部骨折に対するグレードAのビスホスホネート薬かデノスマブを使用します(本症例では使用しません)。また、エディロールには転倒を抑制する効果もあるため継続します。

レバミピド錠
防御因子増強薬です。エビデンスもなく、日本でしか使われてない薬です。意味がないと思われ中止します。

エブランチルカプセル
α受容体遮断薬ですが、高血圧治療の第一選択薬ではありません。起立性低血圧の副作用により転倒のリスクも高くなるため中止します。

ハルシオン錠
入院中は眠れなかったため処方されていたようですが、家に戻ってからは内服しなくても眠れているということです。ベンゾジアゼピン系は転倒のリスクを高め、認知機能にも影響を及ぼします。ハルシオンには逆行性健忘という副作用もあるため中止します。

当院の処方
アムロジピンOD錠2.5mg 1錠
エディロールカプセル0.75mg 1C 分1 朝食後

5剤以上の内服は転倒のリスクが高くなりますが、7剤から2剤にまで減薬できました。また、転倒の原因になりうる、ベタニス、エブランチル、ハルシオンを中止しました。

転倒しても骨折しないように骨を強くするという考え方より、転倒しないようにするという方が大切だと考えています。

(投稿者:斉藤 揚三)

吸入の工夫について2017年12月18日 

朝晩寒くなってきたせいか、喘息発作を起こす患者さんが増えてきています。

喘息治療のガイドラインでは、吸入ステロイドが第1選択薬になっています。

しかし、訪問診療を受けている患者さんは高齢の方がほとんどで吸入薬を処方してもうまく吸えない方が多いです。

そこで、マスクタイプのスペーサー(エアロチャンバー)を使うと、呼吸をするだけで確実に吸入させることができます。価格は4000円くらいです。保険収載品ではないため自費で購入してもらっています。

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介護者がしっかりしていれば、確実に吸入させることができます。

使い方としては、

①吸入器を良く振ってからキャップを外し、吸入器、スペーサー、マスクを正しい位置に合わせてセットします。

②薬を噴射します。

③マスクを完全に顔にフィットするようにあて、ゆっくりと呼吸してもらいます。5回程度呼吸したら終了になります。1回2吸入の場合は②→③をもう一度繰り返します。

④吸入後は口に残った薬を洗い流すためにうがいをします。うがいが出来ない方は水を飲みます。

(投稿者:斉藤 揚三)

安全な食パンの選び方2017年12月13日 

日本ではトランス脂肪酸が禁止されていないので、あらゆる食品にトランス脂肪酸が入り込んでいます。

トランス脂肪酸を多く含む食品の代表的なものに、マーガリンやショートニングがあります。

高価なバターの代わりとしてよく使われています。

トランス脂肪酸は人体に全く必要のない人工的に作られた危険な油ですので、できるだけとらないようにした方がよいです。実際、心血管疾患のリスクを高めると言われています。

本来であれば国が規制をすべきですが、それをしていないので、自分の体は自分で守るしかありません。

市販の食パンの成分表示をみてみるとほぼすべての商品にトランス脂肪酸を多く含むマーガリンが使われています。

マーガリンを使わずにパンを作っているこだわったパン屋さんはありますが、ごく少数で、なかなかありません。

バターを使うとコストが多くかかるということに加えて、バター(動物性脂肪)の方が体に悪いという誤解もその理由の一つだと推測されます。

そんな中、マーガリンを使っていない食パンで比較的手に入りやすいのは、セブンプレミアムの金の食パンです。

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多少高いですが、それがパン本来の値段だと思います。

(投稿者:斉藤 揚三)

CO2ナルコーシスの誤解2017年12月11日 

CO2ナルコーシスとは、高CO2血症によって、意識障害などの中枢神経症状を呈している状態を言います。

CO2ナルコーシスはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などにより、慢性的にCO2がたまった患者さんに起こります。

このCO2ナルコーシスは酸素投与によって起こることもありますし、CO2ナルコーシスに陥っている時に、さらに酸素を投与すると、呼吸停止をきたすとさえ言われています。

その機序は、正常の人は血中CO2濃度の上昇によって呼吸中枢が刺激され呼吸していますが、慢性的な高CO2血症がある方は、低酸素血症だけが呼吸中枢を刺激しているので、酸素投与によって呼吸中枢への刺激がなくなり、呼吸が止まるというものです。

このことは医療職の間ではよく知られたことなのですが、CO2ナルコーシスを危惧するあまり、「本当に酸素が必要な場合に酸素投与が控えめになってしまっている」という弊害が生じています。

慢性の高CO2血症がある患者であっても、急激に呼吸状態が悪化している場合には、躊躇なく高濃度酸素を投与しなければなりません。

その場合、SpO2が90%前後になることを目標に(普段のSpO2のデータがわかればそれを目標に)酸素を投与します。決して100%を目指してはいけません。

慢性の高CO2血症があるかどうかが分かる手段として、COPDの病歴を把握しておくこと、過去の高CO2血症の検査値を把握しておくこと、外見(やせた高齢者で胸郭の変形がみられるなど)でも判断できます。

万が一、慢性の高CO2血症がある患者に高濃度酸素を投与したことで呼吸が止まってしまったとしても、酸素濃度を下げて、バックバルブマスクで強制換気することやNPPV、挿管および人工呼吸器管理で対応することができます。

一方、低酸素血症による臓器障害や脳症は不可逆的であり、取り戻すことはできません。

(投稿者:斉藤 揚三)

有名な蕎麦屋の経営者の言葉2017年12月09日 

パラダイムシフト好き外科医のブログ より抜粋

50歳代の男性、大腸癌で手術をしましたが残念ながら再発して先日亡くなった方がいます。
蕎麦屋を経営しており、手術の後は息子さんに後を譲っていたようです。
亡くなる数日前に、いつも息子さんに言っていること、という内容を教えてくれました

「朝4時には起きろ。準備をしっかりしないと駄目だ。」

「休日の度に、他の店に食べに行け。」

「どこかで人間は苦労しないと駄目だ。どうせ苦労するなら、早い方がいい。」

地元では有名な蕎麦屋を長年経営していた方らしい、実感のこもった言葉でした。

この言葉は、どんな職業の人にも通じる言葉だと思います。自分も肝に銘じたいと思います。

(投稿者:斉藤 揚三)

マヌカハニー2017年12月08日 

小児で夜間の咳がひどく眠れない場合に、ハチミツを使用すれば咳が軽減されるという論文があります。

大人にも効果があるという報告はありませんが、自分でも咳が出るときはハチミツを入れた紅茶などを飲んでいます。

「長友佑都の食事革命」の本の中で、より強力なハチミツであるマヌカハニーについての記載がありました。

マヌカハニーとは、ニュージーランドに自生するマヌカという植物の花蜜から作られたハチミツです。

マヌカハニーには様々な作用が知られていて、ネットで調べる限りでも以下のような効果が分かりました。

・抗菌作用(特にピロリ菌)や胃腸疾患の改善
・整腸作用や腸内環境の改善
・虫歯、歯周病、口内炎などの予防や治療
・風邪やインフルエンザの予防、鼻づまりや喉の痛みの改善
・アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、花粉症)の改善
・傷や火傷の治療
・美肌、アンチエイジング効果
・糖尿病予防、コレステロール値低下
・がんの予防や治療

虫歯の予防にも使えるのは驚きですが、まずは胃腸の調子が悪いとき、風邪のときなどに使えそうです。

上記の効果は医学的に正しいのか分かりませんが、ニュージーランドやオーストラリアの医療現場では実際に使われているようです。

商品には抗菌作用の強さを示すUMFやMGOなどの表示があるのですが、UMF10+、MGO400+以上のものがニュージーランドやオーストラリアの医療現場で使われる際の目安のようです。

長友選手が使っているものはかなり高価(MGO1000+ STRONG MANUKA HONEY 500g ¥39420)ですが、調べればもっと安いものもあります。

それでも高価ですが、薬だと思えば安いですし、なにしろ副作用がないのがいいですね。

乳児ボツリヌス症の発生の可能性があり、1歳未満には与えられないのでそこだけは注意が必要です。

(投稿者:斉藤 揚三)

 

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