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月別アーカイブ:2017年09月

「転倒も 薬飲み過ぎの副作用」の記事2017年09月27日 

本日、yahooニュースの科学版にポリファーマシーの記事が載っていました。

ポリファーマシーとは薬剤の多剤併用により有害事象が起こっている状態をいいます。
当院ではできるだけ不必要な薬を減らせないかを考えながら診療しています。
こういった記事で、一般の人にもポリファーマシーへの理解が広まっていくといいですね。

薬の飲み過ぎ、副作用相次ぐ 転倒、ふらつきで骨折も 睡眠薬や胃薬「ついでにもらう」要注意

 持病が増えるにつれて薬の量も増えていく高齢者。複数の睡眠薬を飲んでいた人が転倒して骨折するなど、薬の飲み過ぎによる副作用とみられる症例が相次いでいる。病気との飲み合わせが悪い薬が処方されたり、年齢とともに代謝が悪くなり規定量でも効き過ぎたりすることも。今後、投薬治療が中心の在宅患者が増えると予想され、薬剤師を中心に多剤併用を防ぐ取り組みが始まっている。

 福岡市の総合病院に、深夜に自宅で転倒して大腿(だいたい)骨を折った80代女性が搬送されてきた。持参した薬を調べると、市内の内科医院と整形外科医院から睡眠薬が重複して処方されていたことが判明。「薬が効き過ぎて、トイレに起きた際にふらついたのではないか。入院で足腰が弱くなったり、認知症を患ったりしなければいいが」と病院の薬剤師は案じた。

 多剤併用による副作用は、ふらつきや転倒、物忘れ、意識障害、食欲低下、便秘、排尿障害などがある。医師は患者の薬の全体量を把握せず、担当する疾患だけを見て治療薬を決めがちなため、内科や整形外科、歯科…と複数の医療機関や診療科にかかると多剤併用が起こりやすい。特定の病気の人は飲んではいけない「禁忌薬」が処方されることもある。

 「特に睡眠薬、痛み止め、胃薬など『ついでにもらう薬』が要注意です」と話すのは福岡市薬剤師会の田中泰三会長。持病で定期的に通院している医療機関で、「眠れない」「胃が痛い」などと訴えると漫然と長期処方されることが多い。患者側の「薬をたくさんもらうと安心」という過度の依存心も背景にある。

 6種類以上の服用、副作用が生じる確率10%
 

 東京大病院が高齢の入院患者を対象にした調査で、6種類以上服用すると副作用が生じる確率が10%を超えることが判明。厚生労働省の調べでは、75歳以上の4分の1が調剤薬局1カ所当たり7種類以上を処方されていた。

 多剤併用を防ぐ取り組みは各地で始まっている。北九州市では八幡地区の薬剤師や医師が4月、「北九州高齢者薬物療法研究会」を立ち上げ、減薬方法を探っている。代表世話人の末松文博さんが薬剤部長を務めるJCHO九州病院(同市八幡西区)では既に実践。転倒して大腿骨骨折で入院してきた80代男性について、重複処方されていた痛み止めやコレステロール低下薬を減らし、睡眠薬をふらつきが少ないタイプに変更して、17種類を10種類に減らした。

 「お薬手帳は必ず1冊にまとめる」
 

 協会けんぽ福岡支部も、診療データの分析で多剤処方や禁忌薬処方、副作用の実態をつかみ、対象者に改善通知をする調査事業を本年度から2年間、実施。「健康を守るだけでなく、不必要な薬が減れば医療費も減らせる」と強調する。

 重複処方や禁忌薬処方は、薬剤師が患者に「他に飲んでいる薬は?」と尋ねたり、「お薬手帳」の確認をしたりすれば防げる。ただ、本人が薬を覚えておらず、手帳の管理も不十分だと薬剤師が気付くのは難しい。

 福岡大薬学部の神村英利教授は「お薬手帳は必ず1冊にまとめることが重要。がん患者など多剤併用が必要な人もおり、量の多さは必ずしも問題ではないが、飲み忘れや副作用が起こりやすい。気になる人は自己判断で中断せず、薬剤師や主治医に相談して」と呼び掛けている。

=2017/09/25付 西日本新聞朝刊=

ビスホスホネート薬による非定型大腿骨骨折2017年09月27日 

ビスホスホネート薬というのは骨密度上昇効果・骨折予防効果が高く、エビデンスもある薬ですが注意も必要です。

ビスホスホネート薬は骨吸収を抑制する薬剤です。

ビスホスホネート薬を長期で使っていると、骨密度は上昇し骨は固くなりますが、ビスホスホネート薬により形成されるAGEs架橋によりしなやかさが失われ、結果的に脆い骨になります。

大理石骨病という、破骨細胞に形成・機能障害が起こり易骨折性を起こす病態がありますが、ビスホスホネート薬の長期投与は、人為的に大理石骨病を作っているのと同じと言えます。

実際、ビスホスホネート薬の長期投与により非定型大腿骨骨折を起こす症例が見られます。

専門的な話になりますが、非定型大腿骨骨折は、軽微な外力で、大腿骨転子下~顆上部に、横~斜骨折を生じます↓
また、骨折した反対側の大腿骨に骨皮質の肥厚がみられています。(オレンジの矢印)

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(荻野浩、他.ビスホスホネートによる非定型大腿骨骨折.臨床整外2012;47(8):774-777)

ある報告では、5年以上の投与でOR2.7(95%CI:1.3~6.0)と非定型大腿骨骨折のリスクが高まります。

そのため、ビスホスホネート薬を投与(特に長期投与)している患者さんには、大腿部痛がないか、診察時に必ず確認し、あった場合には大腿骨のレントゲン撮影が必要になります。

その際は、beakingとよばれる外側骨皮質の限局性骨膜反応がないか、骨幹部の皮質骨厚が全体的に増加していないか見なければなりません。

(投稿者:斉藤 揚三)

 

ビスホスホネート薬の長期投与2017年09月25日 

骨というのは代謝していて、破骨細胞が古い骨を壊し(骨吸収)、骨芽細胞が新しい骨を作っています(骨形成)。

ビスホスホネート薬は骨吸収を抑制する薬剤です。

骨形成はそのままで骨吸収を抑制するので骨は丈夫になります。

つまり、骨形成と骨吸収の差を利用するのがビスホスホネート薬です。

その差が骨折抑制効果として表れるのは、投与後1年たってからと言われています。(そのため一度始めたのであれば、最低1年は継続します)

長期で使っていると、徐々に骨形成も抑制されてきて、骨吸収と骨形成の差がなくなり、骨密度の上昇が頭打ちになってきます。

そのため、長期でビスホスホネート薬を使っていると効果がなくなってくるのです。

一般的には使い始めてから5年で一度、継続するかどうかを検討しなおさなければなりません。

また効果がなくなってくるどころか、長期で使っていると、非定形大腿骨骨折という有害事象が生じる可能性があります。

次回は非定形大腿骨骨折について書きます。

(投稿者:斉藤 揚三)

寝たきりよりも座りきり2017年09月22日 

2016/11/17 日本慢性期医療協会の武久会長が、寝たきりの患者を半分に減らすために、10カ条のスローガンを発表しました。

その8に「寝たきりよりも座りきり」というスローガンがありました。
座ることにより心肺機能に負荷がかかり、身体機能の回復につながるとしています。

これはとても良いスローガンだと思います。

当院でも寝たきりの患者さんを多く診ていますが、その方のリハビリをどうするのかというのが問題になります。

しかし、ベッドをギャッチアップするだけでも、あるいは車いすに移乗するだけでも立派なリハビリになります。

座ることさえできれば、デイサービスにも行けて、寝たきり状態よりも行動の幅が広がっていきます。

患者さんのご家族があきらめてはいけません。

寝たきり状態にしないために「寝たきりよりも座りきり」をスローガンにして、起こしていってほしいです。

※寝たきり状態が長い方を急に起こすと、血圧が下がることがあります。
※座ることで、臀部の褥瘡のリスクは高まります。

(投稿者:斉藤 揚三)

在宅医療で転倒を予防するためにできること2017年09月20日 

転倒を予防するために、在宅医療で介入できることを書いていきます。

①減薬

内服薬が5種類以上だと優位に転倒リスクが上がることが分かっているので、できるだけ減薬します。(OR4.5,95%CI:1.7~12.2)

②転倒の原因となる薬剤をできるだけ処方しない

転倒の原因となる薬剤は↓のように数多くあります。特にベンゾジアゼピン系に注意が必要です。

睡眠薬・向精神薬、抗不安薬、筋弛緩薬、降圧薬、α拮抗薬、硝酸薬、制吐薬(プリンペラン)、利尿薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、麻薬、ジギタリス、抗パーキンソン薬

③活性型ビタミンD製剤(エディロール)を処方する

高齢者において血清ビタミンD濃度が不足すると、転倒しやすくなることが報告されています。ビタミンDの投与で転倒が2割程度減少します。

④運動

運動により転倒が17%減少すると言われています。(RR0.83,95%CI:0.75~0.91)
特にバランス訓練が重要です。バランス訓練として有名なものにロコモ体操がありますが、個人的には分かりやすく、簡単で、転倒リスクが低く、効果が高い「起立訓練」を勧めています。

⑤住環境の整備

在宅医療では実際に生活している場を見ることができるため、より具体的なアドバイスができます。段差の解消、障害物を無くす、照明の整備、手すりの設置、歩行器を勧めたりなど。

⑥排尿障害の治療をする

⑦白内障の手術を勧める

(投稿者:斉藤 揚三)

当院で使用しているビスホスホネート薬2017年09月18日 

骨粗鬆症治療において経口ビスホスホネート薬はよく使われていると思います。
というのも、他の治療薬と比べて治療効果が高いからです。

経口ビスホスホネート薬を処方するのであれば、ガイドラインで推奨グレードがオールAのアレンドロネート(フォサマック、ボナロン)かリセドロネート(アクトネル、ベネット)をお勧めします。

しかし当院では経口ビスホスホネート薬はほとんど処方していません。
それは、経口ビスホスホネート薬を内服すると食道炎・食道潰瘍になりやすくなるため、「起床時に水約180mLとともに内服して30分間横にならず、水以外の飲水ならびに他の薬剤の内服も避ける」という特殊な内服をしなければならないからです。

訪問診療を受けている患者さんは高齢で、認知症が背景にある方が多く、このような内服ができるとも思いません。

そもそも、高齢者で経口ビスホスホネート薬を正確に内服できている患者さんなどめったにいないのではないかと考えています。

そこで当院では骨折や転倒リスクが高く、ビスホスホネート薬を是非とも使いたい患者さんには、確実に投与するためにボンビバ注射を使っています。月1回、診察時に静注しています。

また、ビスホスホネート薬の成績というのは、ビタミンDを併用した条件下での成績なので、必ずビタミンDを併用するようにしています(当院ではエディロール)。

(投稿者:斉藤 揚三)

高齢者の転倒予防2017年09月15日 

転倒に対する運動介入の効果

Sherrington C, Whitney JC, Lord SR, Herbert RD, Cumming RG, Close JC. Effective exercise for the prevention of falls: a systematic review and meta-analysis. J Am Geriatr Soc 56: 2234-2243, 2008.

この論文は、高齢者の転倒予防に関するRCTのメタアナリシスです。

結論として、運動により転倒を17%減らせるようです。

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上の表を見てもらうと分かるように、転倒予防に最も効果が高かったプログラムは、
高強度の運動介入(50時間を超える)でかつウォーキングを含めないバランス訓練を含むプログラムでした。(RR 0.58)

バランス訓練が転倒予防に効果的なのも分かりますが、驚くことに、バランス訓練をしないでウォーキングをすると逆に転倒が増えるのです。(RR 1.20)

すなわち、転倒リスクの高い高齢者に、安易に「歩け」というのは無責任な対応になるのです。

(投稿者:斉藤 揚三)

座り続ける生活で死亡リスク増2017年09月13日 

座り続ける生活で死亡リスク増、「30分毎に運動を」 米研究

日常生活の中で座って過ごす時間が長過ぎると、早死にするリスクが高くなるという研究結果を、米国のチームが11日に明らかにした。一度に連続して座る長さが30分間を超えた場合、リスクはさらに上昇するという。

米コロンビア大学医学部のキース・ディアス博士が率いるチームが、11日発行の米内科学会機関誌「AIM」に発表した。

チームは白人よりも黒人、とりわけ米国南部の黒人に脳卒中が多発する理由を探るため、米国立衛生研究所(NIH)の出資で実施された地域別、人種別の脳卒中研究プロジェクト「REGARDS」に着目。同プロジェクトに協力した参加者のうち、45歳以上の白人と黒人合わせて7985人の日常動作を、平均4年間にわたって追跡した。

対象者の腰に加速度センサーを装着し、座って過ごす時間の長さを計測したという。研究期間中に死亡した人の数を原因にかかわらず合計すると340人だった。

チームがデータを分析した結果、対象者全体の平均では、睡眠時間を除いた1日16時間のうち座っている時間が12.3時間、一度に座り続ける長さは11.4分だった。

従来の研究で成人は1日のうち平均9~10時間を座って過ごすとされてきたが、今回は中高年が対象だったこと、自己申告ではなくセンサーを使ったことにより、これを上回る数字が出たとみられる。

チームによれば、1日に座っている合計時間や、立ち上がらずに座り続ける時間が長くなるにつれ、年齢や性別、人種、体格指数(BMI)、運動習慣にかかわらず、死亡のリスクが高くなることが分かった。例えば1日に合計13時間以上座る人は11時間前後以下の人に比べ、死亡率が2倍に上昇していた。

また、一度に座り続ける時間が30分未満の人は、30分を超える人より死亡のリスクが55%低かった。90分以上座り続けることが多かった人の死亡率は、そうでない人の2倍近くに達していた。

両方の要因を合わせると、1日に計12.5時間以上座って過ごし、一度に30分以上座り続けていた人の死亡率が最も高かった。1日12.5時間を下回るグループでは、一度に座る長さの影響はほとんどみられなかった。

座るという行動が健康に影響を及ぼす仕組みは解明されていない。専門家の間でも、座っているうちに「インスリン感受性が低下する」「消費カロリーが低下する」など、さまざまな説がある。

それでは立ったまま作業ができる「スタンディングデスク」を使うのは有効か、という質問に対し、ディアス博士は「座った姿勢より健康的だという根拠は限られている」と述べた。

同博士は長時間座る生活が避けられない場合の最善策として、30分ごとに休憩を取って動き回ることを提案。「我々の研究は、この一点を改善するだけで死亡リスクが下がり得ることを示している」と強調した。 

CNN.co.jp 9/12(火) 16:21配信

この記事によると、スタンディングデスクが有効であるという根拠はないようですね。
これからは30分ごとに動き回ることを心掛けたいです。

(投稿者:斉藤 揚三)

在宅における胃ろうの管理2017年09月11日 

在宅での胃ろう管理について書いていきます。

胃ろうが造設されている患者さんは寝たきり状態の方が多いため、交換の度に病院に通院するのも大変です。
そこで、当院ではできるだけ在宅で交換できる方は交換するようにしています。

注意していることは、
初回交換はトラブルが多いと言われているので、造設した医療機関でしてもらう。
バンパー型はトラブルが多いため交換しない。バルーン型のみ交換する。
交換後の確認に、スカイブルー法とエコーを使いチェックします。

↓が表在エコーによる確認です。交換前後で変わりがないことを確認しています。
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胃ろうの管理に関しては、 2016年度の在宅医学会大会での「在宅における胃瘻の管理 小野沢 滋先生」の講演がとても参考になりましたので、忘備録としてまとめて載せておきます。

交換頻度 バルーン型 1~2ヶ月に1回 破れるので

     バンパー型 6ヶ月に1

初回交換は6ヵ月後。造設機関で内視鏡下の交換を推奨。

バルーンタイプは結構破れる。同じ人で破けやすい。

在宅で交換する場合はガイドワイヤ付を推奨。

ボタン型の長さは、皮膚面から外部バンパーまで1~2cmほど余裕を持たせる。1cmでは短い。緩くて悪いことはない。

臨時訪問可能ならバルーン型を選択。

臨時訪問困難ならバンパー型が無難。

バンパー型なら細径経胃ろう内視鏡(経2.7cm、HOYA、60万円)で必ず確認する。

挿入後の確認

色素注入による確認(スカイブルー法)。エコーでかなり確実に分かるという論文あり。

○スカイブルー法 

100mlの水に1mlのインジコカルミンを入れて色素液を作る。

交換前に胃内に100mlを注入。

交換後に10mlより多くの吸引で胃内と判断。

感度94% 特異度100%

○胃ろう交換の実際(スカイブルー法)

①胃ろうの可動性の確認(胃ろうが回るか、上下に動くかを確認)→バンパー埋没症候群があるかないかの確認。

②胃ろうの挿入されている方向を確認し覚える。シャフトがどっちを向いているか。

③色素入りの水を100ml注入。

④古い胃ろうを通しガイドワイヤを挿入。(この際に周りにティッシュを置いておく)

⑤古い胃ろうを通しガイドワイヤを残して抜去し、ガイドワイヤを通して新しい胃ろうを挿入。

⑥胃内容を吸引し10mlより多く引けることを確認。10ml引けなければ内視鏡で確認が必要。

バルーンの水が抜けない→バルーンに生食、水をいれてしまう人がいる。

バルブの不都合で抜けない方もいる。

○胃ろう交換のトラブル

ろう孔破損→腹腔内誤挿入。0.5%程度は発生する。

出血(胃内)、挿入困難、抜去困難、バルンの水が抜けない、バンパー脱落。

初回交換は家でやらない。初回交換はトラブルが多い。

○腹腔内誤挿入

バルーン型でもバンパー型でも起こる。

ガイドワイヤが絶対ではない。

初回交換での発生率が高い。

頻度としては0.5%程度と低くはない(100回で4割)。

挿入後の胃内留置確認の徹底を。

交換後初回の栄養剤注入は要注意。まず、水を入れてみるのも手。

○抜去困難

長期留置の場合に多い。

個人差があり繰り返す。

一度抜くのが難しかったら交換頻度を多くすることも考慮。

無理は禁物→内視鏡での切断法に。

○挿入困難

ガイドワイヤ無しの場合に多い。

ろう孔が斜めになっている場合など。

無理しない。細経の尿道カテーテル(12Fr)などをとりあえず留置する。

○胃ろうの管理

ゆるめが良い。

チューブタイプはできるだけ垂直に。

栄養剤注入前は胃内のガスを脱気すること。蓋を開けておくだけでも脱気できる。

11回は360度以上回すこと。

バンパー埋没症候群に注意。胃ろうを引っ張っていると起こる→引っ張ったらダメ。

○自己(事故)抜去

多くはバルーン型に起きる。

繰り返す場合がある→おそらく蠕動による陰圧で破裂。

対処

バルーン型でバルーンがしぼんで抜けたのであればすぐに訪問し再挿入。

バンパー型・バルーンが膨らんでいる場合は内視鏡での交換。ろうこうが壊れている可能性あり。

○胃ろうの管理上でのトラブル

胃ろう周囲が赤くなる→真菌に注意。

胃ろう周囲から栄養剤が漏れる、不良肉芽が出来る→バンパーを緩める。

胃ろうが抜ける→バンパー型は病院へ。

嘔吐する→体位と減圧を確認。

下痢をする→半固形化や投与速度を調整。

○ 胃ろうからの漏れ

原因

胃粘膜の萎縮が原因の一つ。

バンパー埋没症候群も注意。

対処

バンパーを緩める。

ボタン型の場合にはとりあえず腹壁に押し付け固定。

半固形化栄養剤の使用。

次の交換でシャフトを太くしたり短くするのは最悪。長くする。

○栄養剤の固形化

投与時間の短縮。

胃内停滞時間の短縮の可能性。固形化のほうが胃蠕動が起こる。

漏れ、皮膚トラブルの改善の可能性。

便通の改善(増粘剤の食物繊維による)。

一般的には寒天を用いて固形化する。

水分200mlに寒天1g程度。杏仁豆腐の硬さになるように。

○固形化・半固形化栄養剤

保険収載品 ラコールNF配合径腸用半固形剤
作成の手間がいらない。デイサービスなどでも投与可能。

寒天と経管栄養剤を用いて作成した物
様々な栄養剤で固形化可能。注入が比較的容易。(タッパーに1回分作ってしまい、注射器でかき混ぜ吸い上げる。あるいは50mlの注射器の中に寒天を入れた栄養剤を吸っておいて、冷蔵庫の中にいれて作り、そのまま注入してもらう)

(投稿者:斉藤 揚三)

デパス依存について2017年09月08日 

デパスはベンゾジアゼピン系抗不安薬です。

精神科の先生が言うには、デパスは依存を作る最悪な薬なのだそうです。

デパスは短時間型で半減期が6時間と短いです。
よく効いてすぐに効果が切れるために依存を作ってしまいます。

そのため、デパス依存が社会問題にもなり、向精神薬に指定されることになり、2016年11月1日から30日間の処方制限がつけられるようになりました。

これまでは抗不安薬としてだけではなく、催眠作用があるため眠剤として、また筋弛緩作用があるので肩こりなどにも処方されてきました。

しかし依存の問題に加えて、高齢者には特に問題で、筋弛緩作用が強いので転倒や誤嚥のリスクが上がります。

また、当ブログでも取り上げていますが、ベンゾジアゼピン系なので、認知機能の低下、せん妄のリスクも上げてしまいます。

依存を防ぐ一番の方法はデパスを新規で処方しないことだと考えています。

(投稿者:斉藤 揚三)

 

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