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くりはら訪問クリニック

第90回 日本整形外科学会学術集会に参加してきました

2017年05月21日 

5/18~5/21 仙台で行われた、第90回 日本整形外科学会学術集会に参加してきました。
4日間開催されていましたが、仕事の都合上、土日の2日間参加してきました。
参加したどの講演も素晴らしい内容で、明日からの診療に生かせそうです。
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なかでも、「目立たない傷あとにするベストプラクティス 小川 令 先生」という講演がとても勉強になりました。以下に重要点を列挙しておきます。

・ケロイド、肥厚性瘢痕は張力がかかり、動く部位(前胸部、肩~上腕、恥骨部)にできやすい(体質だけではない)。逆に、頭頂部、上眼瞼、前脛骨部は動かないためできにくい。

・ケロイドは真皮網状層からできる。真皮にかかる張力を減らすようにするため、筋膜縫合のみで創縁が盛り上がり、自然によるように縫合する。膜構造を認識して縫合する。深筋膜は0号、浅筋膜は2-0,3-0で縫合する。

・皮膚切開は引っ張られる方向と逆にするときれいに治る。前胸部は縦(大胸筋は左右の張力を生じる)、腹部は横(腹直筋は上下の張力を生じる)、背中は縦、腰は横、膝は横、肩甲部は縦、前腕は斜め(回内・回外を考え)、手首は横。方向を変えられない場所は張力の分散を考える→Z形成術。

・縫合後に貼るテープは傷に直行して貼るのではなく、力のかかる方向に貼る。それが難しければ①縦にも横にも伸びない大きい1枚のテープを貼る②格子状に貼る。真皮の癒合期間は3か月で90%ということで、テープは少なくとも3か月は貼る。

・ケロイドができ始めたらすぐに、ステロイドテープを貼る。1回/1~2日張り替える。風呂ではがす。

・術後2年以降に起こるのが晩期感染。体調を崩したときに免疫力が低下し起こる。そのため、縫合糸はなるべく吸収糸にする(抗菌剤でコーティングされているものがなおよい)。深いところの縫合はPDS(3か月でとける)がよい。バイクリルは1か月でとける。

他の講演も余裕があれば今後、載せるかもしれません。

(投稿者:斉藤 揚三)

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