月別アーカイブ

在宅医療専門
くりはら訪問クリニック

スタッフブログ

最新記事

高齢者の下痢時の対応2019年04月08日 

今回は高齢者診療でよく遭遇する、下痢時の対応について書いていきます。

まず生活指導として、水分を積極的に摂ることを指示します。水分を摂るとますます下痢をすると考え、水分摂取を控える方がいます。しかし、下痢によって体から水分が失われますから、むしろいつもより水分は多く摂らなければなりません。水分以外にミネラル分も失われるため、飲む点滴といわれている経口補水液(OS-1など)がいいかもしれません。

また、PPI(プロトンポンプ阻害薬)を内服していないかどうか確認することが必要です。PPIの副作用に下痢(collagenous colitis)があるので、疑わしい場合はPPIを中止します。

下痢は、有害物質を体外に出す防衛反応という解釈もできるため、無理に止めることはいいことではありません。特に急性下痢症の場合、止痢薬(下痢止め)はできるだけ使わないほうが良いです。処方するとしたら、整腸剤や漢方薬にします。

実際の症例をあげてみます。

88歳 女性

初診までの経過:H30.6~下痢が続き、かかりつけ医で止痢薬が処方されるも改善なく、病院の消化器内科に紹介された。採血やCTでは異常なく、下部消化管検査は高齢のため希望されず経過観察になった。その後も下痢が続き、全身倦怠感、食欲不振のため、H30.10に病院に入院となった。絶食としたところ下痢は改善したが、食事を再開したところ、再び下痢となり、再度絶食となった。食事は不能と判断され、H30.11~中心静脈栄養での管理となった。その後、施設に退所し、当院の訪問診療が開始された。

前医の処方:ミヤBM細粒3g 分3 毎食後

初診時の状態:1日2~3回下痢はありました。中心静脈栄養の点滴をしながら、ミキサーとろみ食を食べていました。

治療方針:こういった症例は、西洋医学では整腸剤や止痢薬を処方するくらいしかできませんが、東洋医学では対応できます。整腸剤は続けながら、漢方薬を処方することにしました。

処方:真武湯合人参湯(真武湯 7.5g 分3 毎食前、人参湯 7.5g 分3 毎食前)

治療経過:漢方薬服用を続けていたところ下痢は落ち着き、食事摂取量も増えました。このままいけば、中心静脈栄養から離脱できそうでしたが、腎盂腎炎を発症し、入院してしまいました。

在宅診療に役立つ漢方診療2019年03月31日 

糖質制限推進派Drであるたがしゅう先生がYouTubeで「在宅診療に役立つ漢方診療」の講演をupしています。

在宅医療に従事している方はぜひ見てみて下さい。

講演の中で、「漢方薬は病名ではなく症状に対して処方できるので、たとえ治療法がない病気であっても何らかの対処をすることができ、これが在宅医療で重要な安心感につながる」とお話されていますが、まさにその通りだと思います。

実際の症例の2番目、「80代女性 アルツハイマー型認知症」において、ドネペジル5→3mg、メマンチン20→10mgに減量していますが、当院であれば、どちらも一気に中止すると思います。

また、症例の4番目、「90代女性 不安神経症+認知症」において、ドネペジル5mgを段階的中止としていましたが、こちらも当院であれば、一気に中止すると思います。

最後に、西洋薬と漢方薬の使いわけについてお話されています。

生薬が上薬、中薬、下薬と分けられるように、治療法も上薬(食事療法)、中薬(漢方薬)、下薬(西洋薬)に分けられるとしています。

つまり、食事療法を基本におき、必要に応じて漢方薬を併用し、西洋薬の使用は必要最小限にとどめるということです。

確かにこれは目指すべきものですが、実臨床ではなかなか難しいと思っています。

(投稿者:斉藤 揚三)

サンシュユの花2019年03月27日 

無題

本日、訪問診療で、患者さんの家の庭にあった、サンシュユの切り花をいただきました。

早速、受付に飾らせていただきました。

鮮やかな黄色の花がとてもきれいで、空間全体がパッと明るくなりました。

来院していただいた方にも、春の訪れを感じていただけると思います。

ありがとうございました。

医療・介護現場における正常性バイアス2019年03月25日 

正常性バイアスとは、自然災害などの予期しない出来事が起こった際に、「自分は大丈夫」などと楽観的に考え、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価してしまう人間の特性を言います。

東日本大震災の際にも、正常性バイアスによって、津波から逃げ遅れた方が多かったのではないかと言われています。

さて、医療・介護現場でも患者に予期しない出来事が起こることがありますが、医療介護スタッフにも、正常性バイアスがかかる可能性があります。

当院の症例です。

症例1:90歳台で施設入居中の患者。朝5時に嘔吐があり、その際のバイタルサインが、血圧48/30、脈拍82、体温38.2℃、SpO2 81%でした。その後、血圧が上がってきたとのことで連絡はなく、8時30分頃に連絡がありました。

5時の段階でショックバイタルであり、その時点で連絡してもらって良いケースでした。おそらく、早朝だったため電話を躊躇してしまったのと、その後血圧が上がってきたために様子をみるという選択をしたのではないかと思われます。

症例2:90歳台で施設入居中の患者。朝から血圧が測れない状態だったが、連絡はなし。食事が摂れないという連絡が昼前にあった。

血圧が測れないのが、血圧計の故障と判断されたようでした。しかし、実際には血圧が低すぎて測れなかったのでした。

どちらとも、往診のうえ、病院に救急搬送して対応しましたが、往診前に心肺停止状態になってもおかしくありませんでした。このように、バイタルサインが安定しない方を放置しているのは危険です(看取り段階にある方は別です)。

「血圧が上がってきたから様子を見ていても大丈夫ではないか?」、「機器が故障しているのではないか?」などと都合良く解釈すると、失敗の原因になります。

医療というのは人の命がかかっているのでミスは許されません。常に最悪の状況を想定して行動した方が安全です。

本田圭佑選手は以下のように言っています。

「人間って、気が緩んでいないと自分では思っていても、気が緩んでいるもんだと思うんです。それをどうやって引き締めるかといったら、『もうくどいほど自問自答するしかない』と思っているんですね。大丈夫か?と。準備できてるか?と」

これは、医療介護スタッフにも当てはまります。

(投稿者:斉藤 揚三)

終末期医療って何?2019年03月20日 

無題

第9回 栗原市民公開講座「終末期医療って何?」に参加してきました。

第1部 死の現場から生をみつめる~臨床宗教師の活動を通して~
東北大学病院 緩和医療部 認定臨床宗教師・栗原市通大寺師弟 金田 諦晃先生

終末期1 

金田さんは東北大学病院の緩和ケア病棟で臨床宗教師として働かれています。臨床宗教師とはどういう仕事なのか?、なぜ臨床宗教師になったのか?、そして実際に出会った患者さんから学んだことなどについて話されました。私は、「相手の気持ちは本当のところでは分かりえないかもしれないが、自分の知らないことを学ばせていただきたいという気持ちを大事にしながら関わらなければならないと思った」という言葉が印象に残りました。医療者は患者さんに医療を与えていると考えてしまいますが、患者さんから学ばせてもらっているという気持ちも忘れてはならないと思いました。おそらく、金田さんの言葉で多くの患者さんが救われているのではないかと思います。

第2部 よく死に、よく生きるための緩和ケア
東北大学大学院 医学系研究科 緩和医療分野 教授 井上 彰 先生

終末期

終末期医療について一般の方が誤解している点を分かりやすく説明されました。例えば、癌と診断された段階から緩和ケアを受けた方が良い、痛みを我慢すると痛みが慢性的になりもっとひどくなる、医療用麻薬は適切に使われていれば依存は起こらない、麻薬を使っても命は短くならない、麻薬が使われたから末期という訳ではない、終末期は点滴は最小限で良い、などです。「終末期の療養場所として自宅に勝るものはない」というお話もあり、在宅医療についても言及されました。

「死について考えることが、より良く生きることに繋がる」ということが、ご講演された先生方の共通認識だと思います。まず、実際問題として、体が弱くなる前に、「どこで最期を迎えたいのか(病院なのか自宅なのか?)」「どこまでの医療を希望するのか(延命治療を希望するのか、できるだけ自然のままがいいのか?)」などについて、家族内で話し合っておくことが重要です(これをアドバンス・ケア・プランニングと言います)。言葉で言うのは簡単ですが、死について考えるというのはなかなか難しいものです。しかし、良く生きるためには避けてはならないと思いました。

(投稿者:斉藤 揚三)

胃ろう周囲の肉芽の対策2019年03月13日 

胃ろう周囲に不良肉芽(にくげ)ができ、痛みを訴える方がいました。胃ろうにはYガーゼ が当てられていました。

item_main01_04

肉芽部分がYガーゼとくっつき、ガーゼ交換の度に出血していました。胃ろうの患者さんではよくある状況だと思います。

患部写真1

そこで、肉芽を収縮させる目的でリンデロンV軟膏を肉芽に塗布するように指導しました。また、肉芽にくっつきづらく、浸出液も吸収できるように、瑞光メディカルの「プラスモイストDC」をYガーゼのようにカットして当てました。

 プラスモイスト1

すると、肉芽は収縮し、現在は出血や痛みもなく落ち着いています。

 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

我ながらいい方法だと思いましたが、調べてみると、瑞光メディカルのプラスモイストDCの商品情報にすでに以下のような記載がありました。

こんなところにもお勧めです。

● 粘稠度の高い浸出液なども吸収するので、皮膚疾患以外に、PEG刺入部、気管切開部のびらん・潰瘍などの保護にも適しています。

こんなところにもお勧め画像

 

まとめ

胃ろうや気切部周囲に肉芽や潰瘍などの皮膚トラブルがある場合は、Yガーゼではなく、プラスモイストDCをYガーゼのようにカットして当てる方法が有用です。

プラスモイストDCはネット通販で5枚入り1200円くらいで買えます。

(投稿者:斉藤 揚三)

在宅での褥瘡治療⑤ 最終的な考え方2019年03月12日 

これまで、褥瘡に対する、体圧管理の重要性や、実際の処置の方法などについて書いてきました。

しかし、このような対策をしても、残念ながら褥瘡が良くならない方もいます。

これは、全身状態や栄養状態、血糖コントロールが悪かったり、血流障害があったりするために、褥創の治りが遅くなるというのが大きな要因だと思います。

介護者(家族や介護職員)・医療者などの中には、褥瘡はあってはならないと考える方がいて、褥瘡ができるとことさら騒ぎ立てる方がいます。

しかしこれはおかしなことなのです。

そもそも褥瘡がどうしてできるのか考えてみると、食事が摂れなくなって栄養状態が悪くなり、寝たきりで動けなくなり一か所に圧力がかかることで起こるのです。

これは、つまり老衰の過程なのです。人は老衰に逆らうことはできません。いろいろな対策をしても治らない場合、「褥瘡とともに生きる」という選択もあると思います。

肺炎で亡くなるのは受け入れられるが、褥瘡が感染して亡くなるのはいけないというのはおかしいのです。褥瘡を含めて、トータルで高齢者をみなければいけません。

当院で行っている処置は、早く、安く、痛くなく、簡単で、在宅で行うのには最も適している方法だと思っています。

高価な創傷被覆材を使い、処置に痛みを伴い、介護人が疲弊するような方法は在宅医療では適さないと考えています。

(投稿者:斉藤 揚三)

在宅での褥瘡治療④ 体圧管理編2019年03月11日 

前回は開放性ウエットドレッシング療法について書いてきましたが、この方法だけでは治りません。

褥瘡の原因を除去しなければならないからです(むしろ、こちらの方が大事だと思っています)。

それが体圧管理です。

昔は褥瘡予防のため「2時間おきに体位変換(いわゆる体交)をする」などということが言われていましたが、現在は違います。文明の利器を使います。

文明の利器とは高機能エアマットレス(以下エアマット)体圧測定器です。

それぞれ解説していきます。

エアマット

mat_01_05

エアマットを使うことで、局所が沈み込み、接触面積を増大させて体圧を分散させることができます。

2度褥瘡くらいであれば、エアマットに変えるだけで治ってしまいます。

エアマットの注意点としては、体重設定を初期設定の50kgのまま使っている方がたまにいいることです。エアマットの効果を高めるためにも適切な体重設定がされているかに注意を払う必要があります。また、電源が切れて入れなおした時に初期設定に変わってしまい、そのままになっていることもあります(下の写真)。

無題8

エアマットを使い適切な除圧がなされていれば、2時間ごとの体位変換は必要ありません。これで、ご家族の介護疲れがなくなります。

また「ハンモック現象」にも注意が必要です。これは、エアマットの上のシーツをしわのないようにピンと敷くと、ハンモックのようになり体圧が上がってしまうことを言います。したがってシーツはだらしない感じでだらだらに敷くというのがポイントです。同様の考えから、横シーツやベッドパッド、バスタオルなどをエアマットの上に敷くことはエアマットの沈み込む効果を減じてしまうので推奨されません。

さらに、おむつを重ねたり、ガーゼを厚くあてるたりする(そもそもガーゼは必要ないのですが)と体圧が上がってしまうので、おむつはできるだけ少なく、薄くするのがポイントです。体圧の面から考えれば、創傷被覆材もできるだけ薄いものが理想です。

体圧測定器

 securedownload9

体圧測定器は3万円くらいしますが、体圧を測定しないと、何が正しくて何が間違っているのか分かりません。

例えば、仙骨部に褥瘡ができていた場合、ベッドに寝ているのが悪いのか、イスに座っているのが悪いのかは、体圧を測定しない限り分かりません。イスに座っているのが悪い場合、いくらベッドにエアマットを入れても褥瘡は治りません。

また、除圧目的にクッションなどを入れているのをよくみますが、それが正しいのかどうかも体圧を測ってみないと分かりません。(クッションなどを入れる場合には、圧が一点に集中しないように、圧が全体にかかるように入れます。ちなみに円座は当たっている部位の体圧が上がってしまうため推奨されません。)

実際に体圧を測定してみると、エアマットの上にクッションを置いて除圧を図るよりも、エアマットに直接乗せたほうが体圧が低いことが往々にしてあります。

ぜひ体圧計を購入して、いろいろな場面で測定してみると良いです。

体圧を測定して50mmHg以下なら大丈夫です。

体圧管理に関してもっと詳しいことが知りたい方は以下の本を読んでみてください。とても勉強になります。

51YPjvOyJ8L._SX350_BO1,204,203,200_

『体圧管理─体位変換に頼らない褥瘡対策 恩田啓二 医学と看護社 』

在宅での褥瘡治療③ 処置編2019年03月08日 

褥瘡をラップで治すというラップ療法を提唱したのが鳥谷部俊一先生ですが、ラップ療法は浸出液でムレることが欠点でした。鳥谷部先生はその問題を解決すべく、進化したラップ療法=開放性ウエットドレッシング療法を提唱しました。

これは、褥瘡を適度に湿潤環境に保ちつつ、浸出液は適度に吸収するという、とても優れた療法です。

当院では、鳥谷部先生のやり方を忠実に守るようにしています。

実際のやり方は鳥谷部先生が、書籍やDVDで詳しく解説していますので、そちらを見てもらうのが一番なのですが、簡単にその方法を紹介します。

201903070855495-1

使うのは褥瘡パッド(穴あきポリ袋入りオムツ)という、台所用の水切り袋と平おむつを組み合わせたものです。

処置方法は、水道水で洗ってパッドを貼るという単純なものなのですが、さまざまなポイントがあるので解説します。仙骨部2度褥瘡の症例です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

①ベッドが濡れないように、あらかじめ下におむつを敷きます(その際おむつではなくペットシーツにすると安価になります)。

P30520561

②褥瘡を含め臀部全体をぬるま湯で軽く洗います。使うのは水道水です。この際、霧吹きを使うとそれほど水を使うことなく、ピンポイントで狙った場所を洗うことができるので便利です。褥瘡には水圧はかけません。創面で細胞培養しているようなイメージをもってもらえば、創内は愛護的に扱わないといけないことが分かります。褥創を強くこするなどは厳禁です!

③褥瘡周囲の皮膚についた水をティッシュペーパーなどで拭きとります。褥瘡内部の水分は拭きとりません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

④褥瘡パッドを当てて終わりです。この際、褥瘡パッドは褥瘡よりはるかに大きいパッドを使うのがポイントです(これは、創傷被覆材をできるだけ小さく貼るという従来の考え方とは異なります。この理由は、少しずれてもパッドが褥瘡に当たってくれるのと、大きいことで褥瘡にかかる圧を分散させることができるため)。また、パッドはテープで固定せず、おむつでくるんで固定するのがポイントです(これは、パッドが動くことで褥瘡にかかるずり応力を分散させることができるから)。おむつで固定できない部位はテープで固定します。

処置は基本的に1日1回で良いです。お風呂も許可します(お風呂の日の処置はお風呂上りにパッドを貼るだけで良い)。

デブリドマンは壊死組織をとるためというよりも内部を開放して浸出液や膿の出口を作るため、つまりドレナージ目的で行うことが多いです。壊死組織は完全にとれなくてもその後自己融解するので、残していても大丈夫です。

下肢の褥瘡にはナイロンストッキングを使うと便利です。ストッキングを履くことでパッドを固定することができ、またストッキングが滑ることで皮膚にかかるずり応力を分散させ褥瘡予防になり一石二鳥です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

褥瘡予防にはワセリンを塗布するかフィルムを貼ります。これも、皮膚にかかるずり応力を分散させることができます。

次回は体圧管理について書いていきます。

(投稿者:斉藤 揚三)

在宅での褥瘡治療② 理論編2019年03月06日 

褥瘡治療とは、軟膏の種類を変えてみたり、創傷被覆材を変えてみたりすることではありません。

褥瘡を治すには、「なぜ褥瘡ができるのか」、「傷(キズ)が治るということはどういうことなのか」といった、理論的な背景を知っておく必要があります。

まず、褥瘡に限らず、傷を治すのには湿潤療法が適しています。

湿潤療法とは傷を乾燥させずに、湿潤環境(湿った環境)に置くことで治す治療法です。

傷を治すのには消毒やガーゼは必要なく、約20年前に夏井睦先生が提唱して、ようやく一般的になってきた治療法です。

もちろん褥瘡も傷なので、湿潤治療が適するのですが、褥瘡が外傷の傷と違うのは、

「治療経過中も受傷機転が持続する」というところなのです。

これはどういうことなのかと言うと、外傷の傷であれば、一回の外力を受けて傷ができ、その後外力を受けることはないのですが、褥瘡にはつねに外力(圧迫やずり応力など)がかかり続けるのです。

さらに分かりやすく説明すると、傷ができて、常に傷が開くように力をかけていたとしたら傷が治らないのと同じ理屈です。

つまり、湿潤環境に置いておきさえすれば、全ての褥瘡が治るわけではないのです。

また、もう一つの問題として、褥瘡はつねに浸出液がでることが挙げられます。この浸出液には傷を治す成分が含まれていると言われており、褥瘡が治る過程では重要な役割を果たします。しかし、褥瘡をただ密閉してしまうと、浸出液が停滞して感染の原因になったり、浸出液で褥瘡周囲の健常な皮膚がただれてしまったり、臭いがひどくなったりという問題が生じます。

この2つの問題を解決する方法が、体圧管理開放性ウエットドレッシング療法です。

次回から体圧管理と開放性ウエットドレッシング療法に分けて説明していきます。

(投稿者:斉藤 揚三)

 

このページの先頭へ

お気軽にお問い合わせください 在宅医療専門 くりはら訪問クリニック